夢の蛇口みきゃんジュースー新春道後温泉旅行(12)

今回の旅行で、大変に楽しみにしていたのが、

例の「蛇口みかんジュース」である。

松山市には蛇口をひねるとみかんジュースが出る場所があるとか、

月に1度、小学校の蛇口からみかんジュースが出るとかの都市伝説を、現実にしたもの、

というアレである。

どうしてもやってみたい。

それで、みきゃんパークに行くことにした。

たーのーしーみーすーぎーるーー!

「みきゃんパーク梅津寺(ばいしんじ)」はジュースを加工する過程を見られる加工場、土産屋、カフェである。

おっ、さっそくあるぞ、蛇口があるぞ。

やってるひともいるぞ。

わたしもやりたい、わたしもやりたいぞ。

 

いざ!

蛇口の下にコップをあてがって、、、

蛇口、ひねるよ!うわああ出てきたー!

満杯まで入ったー!!!

わりと大きめの蛇口で、

あふれたらどうしようと思ったが、

ジャジャーっと出るようにはなってなかった。

私の前にも外国人の若いカップルが蛇口ジュースをきゃっきゃっと楽しそうにやっていた。

そりゃ、そうだよ、蛇口からジュース出てきたら、そりゃうれしいよ。

しくみとしては、ソフトクリームみたいなものだけど、

自分でひねるっていうのが楽しいんだよなあ!!!

 

2階のカフェの窓からは瀬戸内海が見える。絶景。

この日、松山では初雪が降って、だから、空がなんだかすごいことになっている。

そして、みきゃんジュースはすごくおいしかった。

じゅぅううと飲んだらすぐになくなってしまった。

 

みきゃんパークの壁、
みきゃんが、坊ちゃん列車に乗ったり、伊予鉄高浜線に乗ったりしている。

みきゃんはかわいい。

オレンジ色なのもかわいいし、

ほっぺたが柑橘の肌っぽくブツブツがあるのも、

おなかがポコッと出てるのも、

しっぽがみかんの白い花なのも、

みんなかわいい。

秋山兄弟だ、子規だ、漱石だ、と騒いでいたこの旅行だが、

結局、みきゃんパークがいちばんウキウキしてたかもしれない。

動画を撮ったので、何度もニヤニヤしながら見ている。

みきゃんパーク梅津寺 https://mican-park.jp/

萬翠荘ー新春道後温泉旅行(11)

萬翠荘(ばんすいそう)は、旅程にはなかったが、

漱石珈琲店に行くのに同じ敷地内にあったので、寄ることにしたのだが、

非常に美しい建物で、大変よかった。

松山藩主の子孫である第15代当主久松定謨 (さだこと)伯爵の別邸、とのことだったが、

フランスに陸軍武官として15年駐在後、帰国して建てた本格フランス様式で、とここまで読んで、

あれ、と思う。

殿様が渡仏するに伴い、

随行として好古はフランスに行くことになり、

かの地で騎兵の研究を進めていたのではなかったか。

それで当初は私費留学という形だった。

ここもゆかりの地と思い、見学した。

子規記念博物館の展示の中で、

幕府と近かった松山藩(松平家で、当時の藩主は慶喜のいとこだった)は、

維新で無血開城はしたものの、藩主は蟄居、

朝敵の汚名を着せられ、賠償金も支払い、当地は非常な苦労があった、

というのが印象に残った。

それを踏まえると、

萬翠荘には、昭和天皇皇后が縁戚になった縁で何度も訪れたという事実は、

大変な汚名返上になっただろうと思われる。

半島一利による、幕末に朝廷側だったか幕府側だったかでその土地の人々の考え方が違うという説をふと思い出す。

定謨は国の管理になった松山城の払い下げを受け、

4万円(現在のおよそ4億円の価値)の維持費を添えて松山市に寄付したと、

松山城のウェブサイトにある。

松山市民の深い尊敬を感じる。

 

萬翠荘の敷地内に愚陀仏庵が移築されていたが、

数年前の土砂崩れで全壊、

別の場所に再建するプランが発表された(2025年1月)。


松山城 https://www.matsuyamajo.jp/discover/history.html

萬翠荘 http://www.bansuisou.org/

好古と真之 信さんと淳 − 新春道後温泉旅行(10)

松山市内に「秋山兄弟生誕地」があるので、いつか訪ねてみたいと思っていた。

松山城からリフトで下り、ロープウェイ街を歩いて少し行く。

子規も給付生になったときが人生の三大うれしいことの一つと挙げている、

常磐会の流れを汲む常盤同郷会が管理している。

『坂の上の雲』を読んでいて、そうなんだなあと思うのは、

当時は幼名がある、ということだ。

それぞれ、好古は信三郎、真之は淳五郎。

好古が真之のことを「淳を寺ィやっちゃいやぞね」と言ったり、

成人しても母親は淳と呼んだりする。

今の感覚だと不思議だが、名前が違うと小さい兄弟の姿が浮かぶようである。

信さんと淳がここでね、と思いながら見学した。


梅津寺に行ったのは、瀬戸内海を見たいというのがあったが、

もう一つ、秋山兄弟の銅像があるからでもあった。

地図で見ると、松山と呉とは本当に近いんだなあと実感する。

瀬戸内海を挟んで向かいである。

呉の軍港が近いこの地で、村上水軍の研究をした真之のことを考えた。

秋山兄弟生誕地

梅津寺公園

子規と漱石 愚陀仏庵のふたりー新春道後温泉旅行(9)

松山市立子規記念博物館は道後温泉のそばにある。

館内には、子規と漱石が2か月足らずをともに暮らした

愚陀仏庵(ぐだぶつあん)の再現が展示されている。

このあとに行った萬翠荘(ばんすいそう)には、模型が展示されていた。

愚陀仏庵が移築されていると聞いたが、どこにあるのだろうときょろきょろしたが、

きけば、数年前の土砂災害で、失われてしまったそうだ。

(なお、別の場所での再建プランが後日発表された)

2階にいるのが漱石、1階に子規がいる。

「おたのみぃ!」と呼ばわって、子規の友人たちが俳句の会にやってきたのが、

ここか、と思いながら見る。

当初、どうして文学館といわないのだろう、と思っていた。博物館とは…?

だが、見学してわかった、

これは、子規を中心に松山の近代史を物語る博物館であると。

『坂の上の雲』のようなものだ。

あれは3人の英雄譚ではない。

3人を中心にした明治維新から50年の時代を描く物語だ。

子規の話をするには、子規の家族にふれなければならないし、

そうなると、加藤の叔父という人はとか、常磐会とかの話になり、松山藩とはという話になり、

「ホトトギス」の話をするには「小日本」と陸羯南と日本のジャーナリズムについて語ることになり、

記者として従軍した日清戦争、

どうしても歴史の話になってくる。


漱石が松山赴任当初下宿した「愛松亭(あいしょうてい)」の跡地に、

漱石珈琲店愛松亭という喫茶店がある。

このみかんジュースと紅茶のセパレートティが、思わず二度見するほど絶品だった。

酸っぱいのかと思ったが、みかんとオレンジって違うんだね、みかんは甘くてシロップがいらない。

家でもやってみたいけど、それには、おいしいみかんジュースを入手せねば。

私は、『坊っちゃん』の中で、

最初松山に着いた当初、宿の主が「茶にしましょう」というから淹れてくれるのかと思うと、

おれの茶筒から茶を出して使っている、おれが不在の時も一人で茶にしましょうとやってるのではと不審だ、という箇所が大好きだ。

それでこの日も「茶にしましょう」とくすくす笑いながら、茶を飲んだ。


子規堂に「発句経譬喩品」(複製)が展示されている。

子規門諸氏の作風を野菜に譬えたユーモアあふれる批評。

内藤鳴雪は「卵 滋養アリ小供ニモ好カレル」

他に、つくねいも、さつまいも、山芋、大根、百合根と評している。

漱石のことは、「柿 ウマミ沢山 マダ渋ノヌケヌノモマジレバ」だって!

なんだか楽しそうな会だなと思う。

にぎやかな笑い声が聞こえてきそうな。
みんなおいしそうで、作品を読んでみたくなる。

20歳も上の鳴雪をみんなの人気者、なんて褒めたり、

さつまいもだから屁に注意とか思わず笑ってしまう。子規の愛情を感じる。

こんなふうだから、みんなに愛され、みんなが支えたんだなと思う。

起き上がれないほどの病で若く亡くなることを考えると、どうしても泣いてしまう。

子規堂

漱石珈琲店

松山市立子規記念博物館

第51番札所 石手寺 お砂撫でー新春道後温泉旅行(8)

『坂の上の雲』ということで決めたこの旅行だが、

せっかく四国だからお遍路のお寺にも行ってみたいというのもあった。

ちょうどうまい具合に、道後温泉から徒歩20分程度のところに、

第51番札所「石手寺(いしてじ)」があった。

 

調べてみるとこのお寺には、四国八十八ヶ所霊場の砂が置いてあって、

それを撫でるだけで、遍路を巡礼したのと同じ功徳を得られるという。

なんと! 

雰囲気だけでも、と思っていたところが、思わぬ功徳まで!

これはいかねば、いかねば。

 


巨大な三鈷杵(さんこしょう)が本堂の前にある。真言宗っぽいな。

金色で、強そうで、いかにも厄除けに効力がありそうだ。

いきなり国宝の仁王門があり、そこここに重文があり、

大きなお寺だなあと思っていたが、

境内を見て回るうちに、

木彫の原始的な五百羅漢が無造作に置かれていたり、

ちいさいお地蔵さんが床じゅうにあったり、

果てはマントラ洞窟があったりして、

なにやら妙な気持ちになってきた。

神秘的で、密教ってこういうものかと思った。


そしていよいよお砂撫でだ。

お寺の名前が書いてある白い袋が並んでいる。

屋外の縁側に置いてあるけど、幾重にも布が巻いてあって、こぼれたりはしない。

いいこ、いいこと撫でていく。

撫でるだけといっても、88個も撫でるのは大変だ。巡礼はさぞやと思う。

簡単版とはいえ、ついに結願か。

高野山のもちゃんとある。

熊野山 石手寺

のりものはテンションが上がるー新春道後温泉旅行(7)

最近、自分はのりものが結構好きらしいことに気づいた。

といって、鉄道に詳しいとかではなく、めずらしいのりものは楽しいなー、ぐらい。

のりものは、言ってみればアトラクションに乗るようなもので、旅気分を盛り上げてくれると思う。

松山といえば、もちろん坊っちゃん列車だ。だが、平日は運行していない。

しかし、平日の旅でも、じゅうぶん坊っちゃん列車を楽しめた。


坊っちゃん列車とは、『坊っちゃん』に登場する、松山市内を走る軽便鉄道を復元した路面電車。

高速バスを降りると、道後温泉駅前に停車している機関車と客車。

いきなり、明治にひとっとびだ。

土日祝に運行しているのは、復元である。

だが、本物もちゃんと見ることができる。

松山市駅から電車で17分、梅津寺(ばいしんじ)駅という無人駅がある。

駅前の梅津寺公園には、機関車と客車の現物が展示されている。

機関車のおでこに「1」と輝く、1号機関車だ。

 

これは乗れないが、実は、当時の客車が、子規堂の庭にあって、見学どころか車内に乗り込んで座席に座ることもできる!

子規堂に行ってみたらいきなり展示されているから驚いたが、ちゃんと当時のものを寄贈された、と書いてある。

マッチ箱と漱石が言ったように、本当にちいさくてかわいらしい。

木のベンチと木のヴォールト天井がいい感じだ。

やはり乗ってみると、テンション上がるなあ。


道後温泉駅から大街道駅まで、路面電車で行く。

路面電車は、ゆっくり走るし、駅に階段がなくて、使いやすいし、好きなのりもの。

先にsuicaを通したら、降りるときに通すんだよ、と乗客に教えられる。

わーどうしようと焦っていると、運転手さんにいえば大丈夫だと思うよ、と親切である。

運転手に話しかけていいのか、と思うが、その通りにすると、

じゃあ、降りるときに通さないで降りてくださいという。

ホッとして先の乗客にも会釈すると、これまた笑顔。

旅行客に慣れているのかもしれないが、感じがよくてうれしい。


松山城へはロープウェイとリフトが運行している。

 

ロープウェイとリフトで、客同士互いに手を振る。大人だって楽しい。

久しぶりにリフトに乗って、ちょっと怖かった。

たまにゴトンゴトンと揺れるし、写真を撮ろうとすると体勢が変わるから、体がぞくっと震える。

飛行機は怖くはないのに、足の下に空間があると怖いのかなあ、床があるかどうかなのだろうか。

今年、気球に乗るつもりでいるが、あれは、床があると安心するのか、

それとも床とは思えず、足下に空間がひろがっていると感じるのか。


梅津寺駅は瀬戸内海に最も近い駅。

駅を降りるとすぐに砂浜だ。

夕暮れの瀬戸内海にオレンジの車両が映えて、とても美しかった。

坊っちゃん列車に乗ろう! Q&A

道後温泉本館ー新春道後温泉旅行(6)

高速バスで早朝、目的地に着くと、かなりへとへとになっている。

まずは、ゆっくり体を伸ばしたい。

道後温泉はその点、ぴったりだった。

レトロな建物の道後温泉駅の前では、

坊ちゃん列車とからくり時計が出迎えてくれ、

道後ハイカラ通りを歩いていくとすぐに本館が見えた。

わあ、すてき、時代劇の舞台みたいだね。

しかも、これは書割じゃない、本当に入って利用できるんだ。

 

道後温泉に来るのは3回目なので、システムはわかっていた。

休憩室と浴衣は使わず神の湯の入浴だけで、その後坊ちゃんの間を見学したい。

 

朝8時、風呂は空いている。

客は5人ほどで、タイミングにより湯を独占できる時間もあった。

大きな湯船がどかんとある。

真ん中に湯釜という寸胴の巨大なのが鎮座し、中央に神様らしき像。

これは大国主命かと思われる。

背景に、大国主命と少彦名が描かれている陶板がある。

それで神の湯というのかしらん。

横を見ると「坊ちゃん泳ぐべからず」と木札があって、さっそくふふっと笑う。

天窓から朝の光が差している。

さあ、体を伸ばして温めよう。

(3枚ともに道後温泉PR用素材)


湯釜に万葉仮名で知波彌布留と書いてあったので読み始めると、途中から何と読むかわからなくなった。

少なくとも竜田川ではなかった。

このことは公式サイトにも載っておらず、不明のままだ。

不明でいいのである。

旅でわかったことがある。

行ってみないとわからないことはたくさんある。

何でも画面を通してわかるなんてことは、ないほうがいい。

 

入ってすぐの廊下が私は好きだった。

道後温泉の由緒を描いた絵がかけてあって、

聖徳太子や一茶や一遍上人が湯に来ている絵があって、

聖徳太子もここにねえ、などと思う。

所蔵:松山市(道後温泉PR用素材)

 

サウナとかジャグジーとか薬湯はなく、ととのうための椅子もなく、

わたしがよく行く銭湯とは違う雰囲気がある。

大国主命、聖徳太子、万葉集、

古い時代の日本とつながっている湯という感じが強くした。

言ってみればリアル『テルマエ・ロマエ』。

 

その後、坊ちゃんの間を見学する。3階は貸し切り休憩室が数室あるのみだが、見学といえば見られる。

早朝のため、ほかに客がいないので、貸し切りのようにここでゆっくりしてしまった。

 

 

売店では、バスタオルを買おうかどうかすごく迷った。

バスタオル1200円、フェイスタオル220円。

わたしは、新年から新しいバスタオルを下ろすことにしているが、

今年はまだ替えを買っていなかった。

もしよいものなら記念にここで買ってもいいのだが、

なにしろ着いたばかりで、これから数か所回るのに、持って歩くのも面倒だ。

どこでも買えるだろう、夕方、別館の飛鳥の湯泉にもいくし、そちらでもと思った。

思ったのが間違いで、これはここでしか買えないと後に知るのだった。

ネットでも売っていない。

わあぁぁああん!

なお、あとで別の理由があって買ったのだが、飛鳥の湯泉でタオルは600円でバスタオルは2000円だった。

実は本館、お買い得である。みかん石鹸も買えばよかった。

しかし、あそこであれを買っておけばよかった、という後悔もまた、よくある旅の楽しみかとも思う。

道後温泉本館

PR用素材ダウンロード

温泉内で写真を撮れない代わりに素材をDLできるサイトを用意してくれている。ありがたい。

アプリで楽しいバス旅ー新春道後温泉旅行(5)

ゆっくりいこう。


さて、高速バスになぜしたかというと、まず安そうだ、というのがあった。

正月を外すと、旅費がかなり抑えられる。これはよい。

最近は高速バスは快適であるという情報も得ていた。

松山へ飛行機で往復となると、滞在時間は非常に短いから、
往復ともバスで行ったら一日中旅に費やせる、と思ったのだ。


本州から四国に渡るには、3つの道がある。

明石大橋、瀬戸大橋、そしてしまなみ海道である。

私が乗るバスはどのルートを走るのだろうか。

できれば、早朝の瀬戸内海なんか車窓から見えたらな、

先の2つは渡ったことがあるから、新しくできたしまなみ海道を走ってみたいな、

松山だから地理的に可能性はあるな。

だが、どうもはっきりしたことはわからなかった。

バス会社にルートが明示されていないのだ。

意外にわからないものだな。

なんでもわかる世界ではなかったのか。


さて、ついに出発だ。(やっとか)

高速バスで新宿発と言えば昔、
西口のスバルビルのゴチャゴチャと暗いとこでという印象が強いが、
新宿バスタはすっかり空港か新幹線のりばのようである。

発車時刻と行き先と番線が電光掲示で表示されている。

バスタの待合室にいる旅客はどうやらほとんどが外国人である。

バスタ内のコンビニのレジ内のスタッフが4人とも外国人であることにも驚く。

これがトウキョウか、と思う。

成田からリムジンバスで新宿に着き、そのまま高速バスで地方へ行く、
新宿はそういう使われ方をしはじめたのか。

上田行き―、飛騨行き―、本栖湖行き―、どんどんバスが出発していく、
おなかにカラフルなトランクを乗せて。


いよいよわたしのバスも到着した。オレンジがまぶしい、伊予鉄バスだ。

30人乗りに15人ほどが乗り込んだ模様。

乗ってみてわかったことには、走行中窓のカーテンは開けてはならないというルールだ。

まぶしくて睡眠の邪魔になるかららしい。

ならば早朝の瀬戸内海は無理か。

窓の外を見られないのか、と旅の楽しさが減った気がしたが、

そこで思いついた、どこを走っているか、ランニングアプリで見ることにしたのだ。

青い丸が現在わたしがいる地点である。

足柄を過ぎ、静岡を過ぎ、

少しうとうとしているうちに、

いつのまにか明石大橋を渡っている!

わああーーーー!!!

カーテンの隙間からのぞきこむと、黒い黒い平原の向こうにオレンジの明かりが少し見えた。

朝4時の瀬戸内海だっと心で叫んだ。

バスの音がゴウゴウと鳴っている。

 

その後、バスはどのルートか、ここで明かされる。

高松、丸亀と海沿いを走らず、そのまま内陸に入っていく。

なるほど、松山へはそちらのほうが近そうだ。

四国の地形がはっきりと見える、このアプリが大活躍だ。

徳島から入り、香川には一歩も入らず愛媛入りするというわけか。

いよいよ松山が近づいてきた。

 

旅程決定ー新春道後温泉旅行(4)

この調子だと、まだまだ出立できぬ、もっとどんどん行こう。

結局、旅程はこのようになった。

1日で行って帰ってきて

新宿発19:50 高速バス
道後温泉着翌日8:05
◎道後温泉本館
↓ 徒歩18分
◎石手寺
↓ 徒歩14分
◎松山市立子規記念博物館
↓ 徒歩23分
11:30ロープウェイ
◎松山城
昼食なべ焼きうどん
12:20リフト
↓ 徒歩5分
◎秋山兄弟生誕地 
↓ 徒歩8分
◎萬翠荘
◎漱石珈琲店愛松亭
↓ 徒歩20分
◎子規堂 正宗寺境内
↓ 徒歩5分
松山市駅
↓ 伊予鉄高浜線17分
梅津寺駅
◎瀬戸内海
◎みきゃんパーク
梅津寺駅
↓ 伊予鉄高浜線17分
松山市駅
↓ 路面電車7分
道後温泉駅
◎道後温泉別館飛鳥乃湯泉
◎夕食 鯛めし
↓ 路面電車7分
松山市駅
高速バス19:45発
新宿着翌日8:05


ふう、まだ家を出てもいない。

もう少し、ペースアップするか。

いや、もう少しゆっくりでもいいか。

私の熱が失せてしまうのが心配だ。


というわけで、おとといのクイズの答えは・・・これです。

JR東海富士宮駅のスタンプが仲間外れ。初詣に行った時のもの。

それ以外が、今回の道後温泉旅行のスタンプです。

左上はバスタ新宿。それ以外が松山市で押したスタンプたち。

子規が存在感あるなあ。あの頭部はスタンプにしやすそうだ(失礼)。

なぜ道後温泉旅行かー新春道後温泉旅行(3)

毎日、書こうと思っているのに、できなそうだった、あぶない、あぶない、とにかく書くぞ。

タイトルがやっと出た。前の2つが、書いてないけど、それぞれ1と2だ。


旅をするのは決まったけど、どこにしようかなかなか決められずにいた。

だが、思い出したのだ、自分は漱石と『坂の上の雲』が好きだったと。

そうだ、道後に行こう。そう思った。

毎日寒くて、わたしは寒さが恐怖なので、

年末年始の人気の旅先という特集で雪の風景を見るたびに、文字通り震えあがった。

四国なら、暖かそうだ。それに温泉があれば、万々歳。

あまり無理せず、温泉だけ浸かって、あとは秋山兄弟の家を訪ねて、

またトンボ帰りで帰ってこよう。

そうだ、そうだ、そうしよう。

 

自分に刺激を与えるには、できれば、新しい行ったことがないところに行きたかったが、

行ったことがないところは、どうやって興味を引き出せばいいのか。

日々、淡泊に暮らしているから、

どんなところなんだろう、いいなあ行ってみたいなあ、

そういう欲が心のうちから湧き上がってこない。

道後温泉は過去に2回行ったことがある。

一度は子どものころ家族と、もう一度は若いころ仕事で。

また行ってみるか。


新宿から深夜バスで12時間、朝から温泉は開いている。

さっぷりと入って、できれば瀬戸内海を見て、帰ってこよう。

そう思っていたのに、いろいろ調べるうちに、あっちもこっちも行こうと

旅程はぎっしりになってきた。

しめしめ、欲が出てきおったな。

 


あっ、できれば、写真は1枚はつけたい。上の原稿だけだと、写真がない。

というわけで急遽、付けたしをした。


旅に行くのに、実はもう一つ候補があった。

12月に是枝監督『奇跡』を観た。

作中、かるかんが重要な役割を演じている。

鹿児島は父の出身地で、

かるかんは、母が亡父の挽歌の歌集の歌評を書いてくださった方などに、

亡夫の故郷のもので、と言いながらよく送っている。

ほんのり甘くて、うちは明石屋がお気に入りだ。

手に入りにくいためか、

初めて食べてとてもおいしかったと

大変好評であるという。

鹿児島には祖父母の家があったが、子どもだから、家の周りで遊ぶばかり。

行ったことがないところだらけだ。

桜島も見たいし、霧島神宮も行ってみたい。

温泉もあるしな。

 

だが、鹿児島へは高速バスはないのだ。

それは困る。あまりお金がかかるのは困るのだ。

フェリーも直通はない。

父の若い時とは比べ物にならないが、鹿児島はまだまだ遠いなと思う。

それで、今回は鹿児島は見送った、という経緯があった。

母から年賀としてもらった明石屋のかるかん。

そんなわけで、うちでは年に一度は必ず食べることになる。

映画の中では、孫からせがまれて、という体で買いに行くシーンがある。