※記事タイトル中「misaki photo exhibition」がブラウザによっては大文字混じりで表示されるようです。正しくはすべて小文字です。
先日お伝えした通り、このたび、
友人の個展の記録小冊子に寄稿し、
クラウドファンディングが募集開始されましたので、ご案内いたします。
地方での展示、制作を活発化したいという主宰者の思いから発したプロジェクトです。
もしお知り合いに興味のある方がいらっしゃったら、ぜひご紹介くださるとうれしいです。
《写真展の記録ZINEを作りたい》美術館のない三浦市で作品に触れられる土壌づくり
https://camp-fire.jp/projects/view/753567
2024年5月19日まで 目標金額80万円
ZINEの主な内容 (52ページ)
・はじめに
・misaki photo exhibitionとは
・花輪奈穂写真展「gathers and spillages 〜付加体と礫〜」の記録
・現代美術作家 原口比奈子寄稿「私たちは地層を見るのではなく地層を体験する」
・作家トークその1「場と制作、そして鑑賞の『気持ちいい』負荷」
・お茶会で聞いてみた「三浦の好きな場所」(グーグルマップ付き)
・展示のあけすけ(準備の流れ、かかったお金、トラブルなど大公開)
・作家トークその2「観る作る発表する、の私たちの場合」
・グラフィックデザイナー 矢口莉子寄稿「あるものと、あたらしいもの」
・あとがき
・謝辞
私は、この一連のプロジェクト「misaki photo exhibition」の 第2回目の花輪奈穂展について寄稿しました。
「gathers and spillages 〜付加体と礫〜」と題された個展は、
「地層は、地球が生きた記録
写真は、人の営みの記録
作り手として私は、記録を重ねていく」
とある通り、三浦市の地層をモチーフに、取材とリサーチを経て制作された写真展でした。
といっても、花輪さんの作品は普通の写真とはかなり違った挑戦的な作品なのですが、、、
これはZINEを見てのお楽しみ。
私の原稿「私たちは地層を見るのではなく地層を体験する」(963字)の冒頭の箇所をご紹介いたします。
三浦市で個展を開催するという案内を花輪さんからいただいた。城ヶ島はさまざまな種類の地層、地形が見られる全国的にも稀有な場所で、それをモチーフに制作したという。どんなものなんだろう。私は展示を観る前にまず城ヶ島を訪れて実際に見てみようと思った。
馬の背洞門から城ヶ島灯台まで歩いてみた。ラインのくっきりした地層があらわになり、斜めになったり垂直になったりしている。切れ味の良い刃物で切ったかのような断層、蛇が泥の上をうねった跡のような褶曲、二つに色分けされた断崖が見えた。地層は地震、噴火を繰り返してきた時間を記憶し私たちに示す。
花輪さんはこれまで時間の経過を表現に盛り込んできた。対象を異なる時間と場所から撮影した写真数葉を透明パネルにプリントして重ねた作品では、時間の流れやプロセスを観る人に考えさせる。(後略)
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ね、どんな展示だったのか、気になってきたでしょ? とってもよい展示だったんですよ。
花輪さんとは、2015年のSICFで互いに出展したときに知り合い、以来おつきあいは10年になります。
その間、お互いの展示を観に行っては対話を重ねてきました。
それが縁で今回寄稿することになりました。
主宰の阿部明子さん含め何度も打ち合わせして作った原稿ですので、
ぜひ読んでいただきたいです。
対話によって、以前から知っていることについてはさらなる確証を得、
制作について新鮮な発見と共感があり、熱に浮かされたように全力で書きました。
正直、こんな熱量が隠されていたのかと自分自身驚くほどの出来栄えと自負していますが、
それもひとえに花輪さんの展示がよかったから。
私の原稿を読んで、展示観たかったなあと思う方が
たくさんになればいいなあと心から思います。
ZINEの実物は私も見てないのですが、
クラファンサイトによると充実した内容にすてきなデザイン、
何より主宰の阿部さんの熱量があふれています。
プロジェクトは今後も続きます。
地方での制作、展示活動が盛んになって、観る人も作る人も増えることが
このクラウドファンディングのねらいとのことです。
花輪奈穂写真展「gathers and spillages 〜付加体と礫〜」
2023.11.19 – 2024.1.31 ルイヌノアトリエにて(神奈川県三浦市)
※展示はすでに終了しています
花輪奈穂さん http://hanawanaho.net/
インスタ https://www.instagram.com/nahoh_works/
misaki photo exhibition www.instagram.com/misakiphotoexhibition/
その日は朝から城ヶ島に向かい、午後は三崎港近くの会場で展示を観て、アーティストトークも聞きました。
久しぶりの一人旅みたいで楽しかったです。そのときの様子をご紹介しましょう。
※以下の写真は私が撮影したものであり、ZINEに掲載されるものではありません。
関東大震災で隆起してできた馬の背洞門
ウミウ展望台より望む2色に分けられた断崖
マグロ水揚げで知られる三崎港の夕暮
花輪さん個展の様子