月別アーカイブ: 2019年12月

年末にうれしいお届け物

年末の最後の最後に、サプライズが届いた。

なんと、紙わざ展の賞状!

作家名も作品タイトルも大きく書いてあって、こんな賞状いただいたの、初めて。

紙わざ展の主催企業は、タント紙を作っている会社だ。

だから、賞状の手触りがイイ!

こだわりのデザインがかっこいい!

しっかりした厚みでエンボス加工が手にここちよい紙を撫でながら、入選作品70点余りにひとつひとつ作ってるかと思うと、手をかけてるなあと思う。

賞状っていいね、

広く社会によい結果をもたらした気持ちになる。

自分一人だけでもいいと思ってなくちゃやってられないよ、というのが美術だけど、

こういうのをもらうと、素直にまた頑張ろうって思う。

やはり社会の発展に寄与したい、誰か他の人の役に立ちたいという気持ちがあるんだろう。大きく言えば、世界に喜びと発見を提供したい。だから展示する。

自分のことを書いてるけど自分をわかってほしくて制作してるわけではない、と強く思う一方で、じゃあなんで見せるんだろうとずっと考えていた。

そんなことを再確認した。

(そして、タイトルって大切だなと今さら思う。ずっとついてまわる)

 

カラフルなタント紙でできたカレンダーもいただいた。

幾何学模様が少しずつ透けて、大好きな駒形克己の仕掛け絵本をめくるように楽しい。

年末の最後に思いがけないギフトが届き、この一年を明るく総括してくれた。気持ちが晴れやかになる。


紙わざ展は全国を巡回します。入選作品1点が出品されます。

名称:紙わざ大賞入賞作品展29 at Pam
会期:2020年1月7日(火)~ 3月31日(火)10:00~17:00 土日祝休み 3月は土曜日も開館
場所:特殊東海製紙Pam
〒411-8750 静岡県駿東郡長泉町本宿501
TEL 055-988-1111
入場無料、見学要予約

年末年始の読書計画

『ハムレット』4冊

小田島訳と河合祥一郎訳。最初の1ページを読み比べただけでも、ワクワクする。小田島訳は読みやすいと言われているが、河合訳の歯切れがよくかっこいいこと!

河合隼雄と松岡和子の解説本。

安野光雅と松岡和子の絵本。安野光雅の絵は本当にすばらしいなあ。

昨秋、多和田葉子と高瀬アキの舞台『ハムレット・マシーネ』を観にいき、

意外とハムレット読んでない人多いと高瀬アキが書いていて、そういえばよく覚えてないや、と思ったので。誰と誰が出てきて、どんな話だっけ?

 

梨木香歩の新刊1冊ともう2冊。小説2つとエッセイ1つ。最近、夢中。

『椿宿の辺りに』を読んだら、『f植物園の巣穴』の続きだったので、また読み返したい。

最近、神社に毎日行っているのもあることだし。

 

高村薫『我らが少女A』 あああぁああ、待ってました! とにかく高村薫は好きでしかたがない。本棚に並べて背表紙を見てるだけで興奮してくる。

 

高畑勲『一枚の絵から』日本編と海外編。結局観にいけなかった展示関連で知った本。

食材のキモチ

寒くなってきたし、気分が落ち込んできたので、日帰り温泉にいくことにした。

最初、あー気持ちいい、ゴクラクゴクラクと普通に入っていたが、

サウナに入って塩をもみ込んだり、露天風呂に入ったりしているうちに、ふと「注文の多い料理店」だな、と思った。もちろん食べられちゃうほうだ。

湯につかりながら温泉水を一口飲んだりして、クリームを塗るフリしてなめちゃう二人にそっくり。

前に新潟の温泉町で、温泉水でゆっくり加熱した湯治豚というのを食べたが、あれそのものだ。

 

おいしい水でゆっくり茹でて(温泉)、

ハーブで蒸して(草蒸風呂)、

塩をもみ込んで(ミストサウナ)、

燻製して(サウナ)、

水で絞めて(水風呂)、

少し干して(外気浴)、

炭火でじっくり焼いて(岩盤浴)、

最後にフォームをつけたら(炭酸泉)、できあがり。

すっかりおいしくなって、家まで帰った。

食材としてのわたくし。なんだか見える世界が一変した。

皆様もぜひ。

 

☆アナログハイパーリンクな読書
温泉→『注文の多い料理店』宮沢賢治

転機

フィンランド大使館のツイッターをフォローしていると、舘野泉という音楽家のことが何度も話題に上がる。それで読んだ本、『左手のコンチェルト』。

舘野泉は、くりっとした澄んだ目を持ち女性的な風貌をしていて、どことなく安野光雅に似ている。文体も似ていると思う(安野が鷗外について語るときを思い出す、自分が鷗外を好きなことを、同じ津和野に生まれずに証明したいほどだ、と言ったときの)。平易な日本語でロジカルに展開していく。話し言葉で読みやすいのに、書き言葉として論旨がはっきりしている。小学校の教科書に載りそうな文体。それに、たぶん芸術家だからか、情景が浮かぶような表現。一つのことを丁寧に話している。

舘野は、数年前に脳溢血により半身不随になる。その後、左手だけで演奏するようになるのだが、すぐにそうしたわけではなく、倒れてから1年半後に転機があったという。

この転機のきっかけは、シカゴに音楽留学していた息子のヤンネがつくってくれたのです。(略)その楽譜を見たとき、たぶん、その瞬間から、僕のなかで何かが変わっていったのだと思います。(略)まさに、僕を閉じ込めていた厚い氷が溶けて流れ去って、一瞬にして、世界が開かれたのようでした。倒れてから、すでに一年半ほどたっていました。(『左手のコンチェルト』)

それまで、ラヴェルの左手のための曲があるよと皆から言われても、死んでも弾くもんかと腹を立てていた、その気持ちに変化が訪れたという。このように転機はふいに訪れ、また、時間がかかるものだということがよくわかる。人間は、そんなに簡単には心を変えることはできない、傷ついた心を回復することも時間がかかるものだ。


全体を通して私が感じるのは、はっきりとは書かれていないが、推察するに、彼は3つのレッテルに悩まされてきたのではないか。一つは「北欧のピアノの詩人」、曰く、北欧に住んでいるから音色が美しいのでは。それから、左手でしか演奏できなくて悔しいでしょうね、という決めつけ。さらには左手だけで弾くということが特殊だと見られやすいこと。

左手だけで十分に豊かに音楽を追求できている、だが最近は右手も少しは動く、いつかまたモーツアルトを弾けるかもと思うと楽しみ、と言う(『風のしるし-左手のためのピアノ作品集 CD』)。論理的には矛盾しているように見える。だけど、人間とはこうしたものだと思う。

誤解や曲解に対して、そうではない、と静かに話す口調が、なんとも力強い。その無理のがなさが、やせ我慢でなく、本当のことを話していると信じられる。たぶん、今まで100万回聞かれてうんざりしているはずなのに、グチャグチャ恨みがましく言わないところがスマートだ。

だけど、「死んでも弾くもんか」という表現の中に、穏やかさの後ろには燃えるような誇りがあることを私たちは知る。

「音色が美しい」とも言われましたが、北欧に住んだこととは関係ありません。幼いころから持っていた音なのです。よい演奏家は必ず自分の音を持っていると言われますね。(『左手のコンチェルト』)

 


新作の転機はふいに訪れた。幾重にも波状攻撃のように、訪れた。

私がアクリル絵の具を指で描いたのは、秋にフィンガーペインティングのWSをした経験から。描き心地と自分に合っているという感触を、フィジカルな体験としてつかんだ。

私がシナベニアにジェッソを塗って作品を作ったのは、夏に出展したアートイベントで、パネルにジェッソを塗って描いたすてきなドローイング作品を観たから。それでいいのか、ジェッソなら昔模型作りで使ったことあるな、と思った。すぐに名刺交換して質問した。「これすごくいいね、一発勝負なの?」と聞くと、まず下書きを描いてジェッソを塗った上からなぞっている、ジェッソが透けるから、と彼女は言っていた。その言葉が心の奥底に沈殿して、秋に、制作するときにふと浮かび上がってきた。透ける特性を生かして描いてみたらどうだろう。層のような効果を出せないだろうか。

私がインクで文字を書いたのは、春夏に、和紙にインクで描く作品を描いていたから。

あの子を描いたのは、夏に、シルクスクリーンのWSで、あの子を描いたから。その出来が思いのほかよくて、そうだ、この子をちゃんと作品にしてあげてなかったっけと思った。こんなにかわいいのにもったいないな。以前あるギャラリストに見せた時にいいふうには言われなくて、なんとなくうっちゃっておいたけど、今回、ちゃんと作品にしてあげたいと思った。シルクスクリーンのときは作品とまではいかない軽量級だったけど、作品にしてもいいんじゃないか。

とはいえ、今作で、とも思ってなくて、描く予定はなかったのに最後の最後にえいや!と描いた。

☆アナログハイパーリンクな読書
フィンランド大使館ツイッター→『左手のコンチェルト』(舘野泉)


下記の展覧会に本作を出品いたします。

名称:FACE展2020 損保ジャパン日本興亜美術賞展
会期:2020年2月15日~3月15日  10:00~18:00(入館は17:30まで)月曜日休館
会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
観覧料:600円
主催:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館、読売新聞社
https://www.sjnk-museum.org/program/6001.html

あの子の名前、目の色

新作シリーズのあの子の名前をつけようか迷っている。

アトリエに来る人は、自画像ですか、そっくりですね、と言う。

え、ええまあ。と私は答える。

髪形を変えれば誰にでもなるし、この間も友人の髪形で描いてあげたし、と思っていたが、自画像なのかしらん。

奈良美智は、自画像だというあの子に名前はどうやらつけてないようだ。

やはり、わたしは、以前からずっと名前について考えていることに思い当たる。

 

アトリエの玄関に架けた新作。

 

この間、大嘗宮を観にいくのに東京駅から歩いていく途中、三沢厚彦のホワイトタイガーが遠目に見えた。それを見てふと、目を金色にしてもいいなと思った。

紫はどう? あら、いいんじゃない?

これはやりすぎかしらん。いや、いいかしら。

こちらは『あおい目のこねこ』風。

いっそモディリアニにしたら、、、?

これはphotoshopで塗ってみたのだけど、こんな風に頭の中で色塗りをして楽しんでいる。

ゆかりの神社さがし

初詣にどこに行こうか、できればゆかりのある神社がいい。そういえば、七五三のときってどこの神社に行ったんだろう、母に聞いてみた。

七つのときは、三つのときは、えっそうだったんだ。ついでに妹の2回ともすべて違う神社に参拝していることがわかった。

三つのときの神社は混んでてね、写真では全然そんな風に見えない、人がいない時をねらって撮ったのか。

妹が三つの時も同じところに行こうと思ったんだけど、あの日は雨が降ってねえ、みんな着物だったし、近くの神社に急遽したんだけど、そこは小さい神社でお客さんがいないもんだから、私たちが行ったら宮司さんがそれはもう喜んで、いらっしゃいいらっしゃいと、すごく丁寧にお祓いしてくれてね。なるほど、そんなことが、、、それはそれでいいねえ。

なんていうところなのかな、駅のそばなの、この中に見覚えはある?とグーグルマップを見せる。神社はいくつもある。これは大きいところだし駅からは少し遠い、こっちはマンションの中にあるお稲荷さんだね、となるとここかなあと聞くと、この地図ではよくわからないけど駅ビルを出て右手、線路に沿ってM社の道一つ隔てたあたり、という。母はデジタルはめっぽう弱いが、こういう昔からある土地勘はあいかわらずすごい。じゃあここだねきっと、と突き止めることができた。小さい神社とはいえ、地元の大手企業や百貨店の奉納が見えるから、古くからある神社のようだった。

事程左様に子ども時代のことは知ってる人がいるうちに聞いておかないと不明のままだなと思った。昔どういう子どもだったのかいずれゆっくり聞いておかねば。


三つの時の写真を見ると、おまんじゅうのようにぷくぷくだ。当然のことながら今の私とはまったく違うので、正直この写真だけ見せられてもこれが私かとは自分自身わからないなと思う。前後の写真があるし、父母に連れられているからわかるだけのことだ。

昔、父に小学校1年生の学校の集合写真を見せてもらい、どれが父か聞くと、たぶんこれだろうがとあやふやなことをいう。自分なのにわからないことがあるかと思ったが、そういうことだ。戦後すぐは写真はめずらしかった。面影もあるような、ないような、まあいい、この子だってことにしておこう。

だが、このあいだ中学の同級生を見かけたが、30年ぶりだというのにすぐに彼だとわかった。もちろん彼の家業の店で働いていたのを見かけたせいでもあるけど、10歳ぐらいになれば面影が明確に作られるのかもしれない。


これまでは何かというと7つの時の神社に参っていたが、少し遠いので、地元の氏神神社に行ってみる。あることは知っていたが、行ってみると意外に立派だ。私が行きたいがかなり行きにくい神社の末社もあって、ありがたいと思う。富士塚もあって、毎朝、富士登山だ。


祖母ゆかりの神社は、狛犬の代わりにうさぎがいて、かわいい神社。厄除け大福を買ったので、お福分け。七味売りも口上を述べていて、めでたい。

 

糸で縫って作るクリスマスリースWS 「かわいい」祭り

糸で縫って作るクリスマスリースWSを実施しました。

フェルトに雪のマークを刺繍して、ボンボンを糸で縫ってリースにして、リボンを結んだらできあがり。

かわいい、かわいい、かわいい!

このままだとイモムシかヘビだね、なんておしゃべりしながら縫っていく。
家で作れば? 目玉つけてさ。

「ボンボンかわいいね」と笑う、君たちの手つきがかわいいよ。

糸通しの使い方を教える。便利だよね、舐めたりしなくていいんだよ、と言ったら、

やったことある、、、とビミョーな顔の子。わかるよ、そのビミョーな気持ち。

かわいい、かわいい、かわいい!

バッグにつけられるようにヒモもつけました。みんなに見せびらかしてほしいなあ。

 

アトリエ玄関のトラノオが急にクリスマス仕様に。おめかし。

新作も架けた。顔のドローイングは指で描いている。

わたしは、この作品は、かわいい、と思ってるんですが、いかがでしょう。

大嘗宮見学

大嘗宮一般参観に行ってきた。

妹が観たがっていたが、遠方のため無理なのを残念がっていたので、代わりに観てくるよ、と行ったもの。

この日、快晴。

千木が見える。出雲大社を思い出す。

黒木門 こっちは源氏物語を。六条の御息所が住んでいた野々宮にはこんな門があったはず。

小柴垣 こちらも源氏物語の若紫。小さい紫の上が泣いてるのを光る君が見るシーン。

千木と鰹木。竹がまっすぐだった。

板葺きの屋根が実に美しかった。晴れていたから、きらきら輝いて天然石のスレートかと思った。

 

東京のど真ん中に自然がいっぱいの広い場所がドカンとあって無料公開されていて、いいなと思う。旅行に来た気分になった。あれ、ここどこだっけ?

実はすごく混んでいたのだけど、空が広くて、敷地が広いので、人がいることにまったくストレスに感じなかった。

みんな和やかな顔で、のんびり歩いていた。

売店に寄る。菊紋のお盆なんかで和菓子なんか出したら、大丈夫かなと思われないかね、などと思いながら見ていたが、あれ、この菊紋のお箸、デザインに見覚えがあるなと思ったら、家でずっと使っていたものだったことを今さら知る。色違いだから、家族各人の専用の箸がわかってちょうどいいと思っていたけど、そうだったのか。夏に大問題になっていたけど、普通に使ったりダメになったら捨てたりしてるじゃないか。

帰り際、剣道の稽古の音がした。太鼓、踏み込み、気合の声と竹刀の音。皇宮警察のトレーニングだろうか、皇居の敷地内に道場があるのか、、、。音楽ホールもあるし、図書館もあるし、なんか大学のキャンパスみたいだな。そういえば皇居についてほとんど知らない。どこにどなたが住んでいて、どこで公務をしているのか。

石垣と紅葉。

こんな広い空が都心にあるなんてね。

坂下門のランプのデザイン、すてき。皇居になったのは明治だものな、こういうものもあるよな。

坂下門 お城だ―と思う。夏に行った駿府城公園にも似たようなのあったぞ。そうか、もともとは将軍が住んでいたのだった。

テキガタの家に住むっていうのは、日本ぽいなと思う。

チェスと将棋の大きな違いは、将棋はテキの駒も味方になるってことらしい。チェスでは色が明確に分けられていて、そんなことは絶対にできない。文化を表しているなあと思う。


大嘗宮一般参観
皇居東御苑にて
2019年11月21日(木)~12月8日(日)

第29回紙わざ展 紙わざ大賞入賞作品展 無事お開きのおしらせ

第29回紙わざ展 紙わざ大賞入賞作品展は、無事お開きとなりました。

ご来場くださった皆様、ご感想をお寄せ下さった皆様、ありがとうございました。


第29回紙わざ展 紙わざ大賞入賞作品展

会期:2019年11月26日(火)~30日(土)10:00-19:00(最終日は18:00まで)
場所:東京交通会館2Fギャラリー 東京都千代田区有楽町2-10-1
主催:特種東海製紙株式会社
協賛:王子エフテックス株式会社/新生紙パルプ商事株式会社/株式会社竹尾/平和紙業株式会社
入場無料
なお、本展は1年間、全国を巡回する予定です。
https://www.tt-paper.co.jp/pam/kamiwaza/prize/

入選作品一覧
https://www.tt-paper.co.jp/pam/kamiwaza/app/files/uploads/2019/10/7f59dd92f825fe3718b4836c0adedc43.pdf