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「3331 ALLART!」3331千代田芸術祭2013スカラシップ受賞者展 ④

毎日、アトリエの壁に描いている。
この絵を描いた1/5(日)はとても落ちこんでいて、とても孤独で、とても恐怖を感じていた。
それで「ひのには絵がある」と思って描いた絵。
だから、この絵の副題は「ひのには絵がある」だ。
*「ひの」というのは自分のこと。hina→hino。
といって孤独や恐怖を表現したいというわけではない。ただ、そう思ったな、ということ。

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「3331 ALLART!」3331千代田芸術祭2013スカラシップ受賞者展
3331 ALLART!

本展は、3331 Arts Chiyodaにて2010年より毎年開催しているアートフェスティバル「千代田芸術祭」展示部門・映像部門において、本年度(2013年秋開催)の審査員賞またはオーディエンス賞を受賞した11名による新進作家展です。タイトルの「3331 ALLART!」には、「ALL+ART(あらゆる表現)」に挑む、新しいアーティストの出現を「ALERT(警笛)」のように強く知らしめる、という意味が込められています。
■会期 2014年1月25 日(土)~2月3日(月)会期中無休 12:00-19:00(最終日-18:30)
■場所 3331 Arts Chiyoda 1F メインギャラリー
■入場無料
■作家在廊予定 原口比奈子は毎日14:00~18:00在廊予定です。
■アーティスト・トーク 1月24日(金))19:30-20:30 オープニング・パーティ
原口比奈子も参加いたします。

「3331 ALLART!」3331千代田芸術祭2013スカラシップ受賞者展 ③

”「即興」をテーマに制作。「カフカのように断片を、モロイのようにはてしなく描きたい」”

そう、フライヤーの作家紹介に書いた。そのことについてのメモ。

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2013年10月下旬から11月中、私は、自分の作ったもの、現代アート、そして予定されている受賞者展について、とてもよく考えなければと考えていた。まずは情報収集だ、と思い、千代田芸術祭で知りあった人にメールを送ってみた。何しろ知り合いがいないのだから、こんなことを縁にするしかない。それで、ギャラリー情報を教えてくれる人もいたり、実際に会ってくれる人もいた。

そんな中で知ったW氏からTATを聞き、その会場の一つマーチエキュート神田万世橋の一角で、ちょうど本の展示販売をしていた。「クリエイターがすすめる本5冊」という企画で数十人によるセレクト本が、自由に対面のソファで読めるようになっていた。歩きつかれたので、休もうと思った。その中で目についたのが『カフカ・ノート』だった。大部のエッセイなので、そこでは読みきれなかったが、少し読んでこれはきっと何かあるような気がした。

私は月刊「みすず」を購読している。保坂和志の連載がおもしろい。カフカについて書いてある。それで『カフカ・ノート』を手に取ったのだと思う。その連載で、10月号に『モロイ』について言及があった。とめどなく書く、という。調べてみるとかなり変わった小説らしい。でも、何か、自分の制作に近いものを感じた。

保坂和志の本を読んでいたら、高橋悠治さんに聞くのを忘れた、という文章があったので、ああ、この二人は知り合いなのだなと思った。自分の好きな人同士が友だち、というのはうれしいものだ。ついでに言うと、『カフカ・ノート』の装丁は平野甲賀で、高橋悠治はスタジオイワトでコンサートを開催したらしい。平野甲賀も前にトークイベントを聞いたことがあって私の好きな人だ。いや、本当に好きかどうかわからないけど、ちょっとした一言が印象的でなんかいいな、と思った。そして、好きな人が仲良くしてるのなら、やっぱり私も好きかもな、と思っている。平野甲賀は最初、忍者みたいで名前がおもしろいと思った。何かの本を読んで、装丁のところに名前を見つけて、次の本も全然ジャンルが違ったのに、やっぱり平野甲賀とあって、あれ縁があるのかなと思ったことがあった。「嫌いな作家の本を手掛けることだってあるよ。でもそういうの、かえってわからないようにするものだけどね。かえって丁寧にやったりしてね。」と言ったのが印象に残った。

もう一人T氏とも会った。T氏は学生で、彼の通う学校で会ったのだが、翌日開催されるパフォーマンスのフライヤーを見つけた。多和田葉子の朗読だという。多和田葉子は少し前に『雲をつかむ話』を読んだ。本人が出るのならこれは貴重なことだと思い、今はいろいろ見ることだと思っていたところだったので、さっそく行くことにした。即興の朗読とピアノのパフォーマンス。終わった後の質疑応答で、即興ということがテーマに上がった。自分が作っているのも即興だと思った。企画した松永美穂が、シュールレアリズムと、現代ではいしいしんじが即興で小説を書いていると発言した。もっとも即興から遠いと思われる文学でも今、即興が出ているのか、と思った。その後、いしいしんじの『その場小説』を読んだ。少し後で、高瀬アキと高橋悠治とは知り合いだということを知る。

次の日も多和田葉子・高瀬アキによるワークショップ。一つのグループが『ゴドーを待ちながら』をモチーフにした脚本で出演していた。またベケットだ。

その4日後、W氏と会う(前出のW氏とは別の人)。ノートは毎日書いていて作品自体は即興で作ったという話をしたあと受賞者展について相談すると、いろいろ考えるよりその場で即興でやるのがいいんじゃない?とアドバイスをもらう。やはりここでも即興か、と思う。

作家紹介文は12/9が締め切りで、とにかくモロイについてもカフカについても深くは知らないが、たぶん合っていると思って、見切り発車で書いた。で、今、カフカやモロイを読んでいる。たぶん、符号が重なるとき、それは正しいと思う。シンクロニシティ、直感と言ってもいい。もちろん、そんなことでもいいからすがりたいというだけのことだが、ほかに何もないのならそれを道標にしてもいいと思う。毎日のノートはカフカのノートだし、モロイのようにと思って文字だけの作品も作ってみたりした。そんなわけで書いた作家紹介。それにしても本ばかり読んでいる。

W氏 → TAT → マーチエキュート神田万世橋 → 『カフカ・ノート』 → 高橋悠治『カフカ 夜の時間』『きっかけの音楽』 → 『カフカ・コロキウム』

「みすず」 → 保坂和志 → カフカとモロイ → 『小説の自由』『カフカ式練習帳』『モロイ』

T氏 → 多和田葉子・高瀬アキ → 松永美穂 → 即興 → いしいしんじ『その場小説』 『ゴドーを待ちながら』

W氏 → 即興
「3331 ALLART!(アラート!)」3331千代田芸術祭2013スカラシップ受賞者展3331 ALLART!

■会期 2014年1月25 日(土)~2月3日(月)会期中無休 12:00-19:00(最終日-18:30)
■場所 3331 Arts Chiyoda 1F メインギャラリー
■入場無料
■作家在廊予定 原口比奈子は毎日14:00~18:00在廊予定です。
■アーティスト・トーク 1月24日(金))19:30-20:30 オープニング・パーティ
原口比奈子も参加いたします。