第29回紙わざ展に出展中です。
出展作品《IMAGINARY MAP》の見どころをご紹介します。
作品サイズは90×150cm、薄口の雁皮紙にインクをにじませ染みを作り、その上から別のインクで描いています。
割と大きいサイズで、近くで何が書いてあるか見ようと近寄ると、部分的にしか観ることができません。なので、あっちを観たりこっちを観たり、視線を動かしたり場所を移動して観ると楽しさが増すはずです。
あっちとこっちは、少し似ているけど、少し違う。
あっちではこんなことが起こり、こっちではあんなことがあった。互いに関係があるようでないようで、交流はあるかもしれないけども。歴史上のできごとみたいにね。
そんなふうに観ることになります。
続いて全体を観ると、今度は染みの模様が見えます。
湖のようにも砂漠のようにも、半島のようにもリアス式海岸のようにも見えます。
実はこれは、水分の多いインクを筆に含ませて、床に置いた和紙の上から、シャアッと水滴を落として作っています。
ジャクソン・ポロックと同じです。シャッシャッシャアーッとやると、気分がスカッとします。
ただ、ポロックと違うのは、和紙に水分がにじみながら吸収されていく点です。
それで、このような滲み、あるいは紙が燃えた焦げ跡のような模様ができます。
最初は小さな水玉たちです。私は何もしないでただ見ています。そのうち水玉同士勝手にくっついていって、そのまま沁みていき、このような大陸になります。太古の昔、地形が徐々にできあがるようにね。
絵は静止しているのに、動きを感じます。
上で書いたのは一例です。
どんなふうに見えるか、ぜひ実際にご覧ください。写真より実物のほうがずっとずっといいです。ほんとです。
第29回紙わざ展 紙わざ大賞入賞作品展
会期:2019年11月26日(火)~30日(土)10:00-19:00(最終日は18:00まで)
場所:東京交通会館2Fギャラリー 東京都千代田区有楽町2-10-1
主催:特種東海製紙株式会社
協賛:王子エフテックス株式会社/新生紙パルプ商事株式会社/株式会社竹尾/平和紙業株式会社
入場無料
https://www.tt-paper.co.jp/pam/kamiwaza/prize/