去年の6月、鎌倉の明月院にアジサイを観にいった。
境内はアジサイがいっせいに咲いて、壮観である。
一つ一つの花は小ぶりで、青い色がうつくしい。
複数の品種のアジサイを植えている庭が多いが、
ここでは珍しくほとんど1種類のアジサイだけを植えていて、
この色は明月院ブルーと呼ばれている。
特別公開されている本堂後庭園の奥のほうに、
まだ小さいアジサイを育てている畑のような場所があった。
立札に園芸部とある。
お寺にアジサイを栽培管理する専門部署があるのか! さすがである。
挿し木で増やしているという。
うちもほしいなあ。
なんていう品種なのかしら。
牧野富太郎によって名付けらた、
「安行四季咲き ヒメアジサイ」ということだった。
帰りにいくつかのお花屋さんに寄ったが、
シーズンゆえにアジサイの鉢はたくさん売っているのに、同じものはなかった。
ならば、と園芸サイトで探すと、すでに品切れになっていた。
植物は旬があるので、販売時期が限られている。
しかたがない、来年を待つことになった。
さて、1年経った。
植え付け適期の冬ごろから、気もそぞろになっていたが、まだ出ない。
5月、そろそろアジサイの鉢が出てくる時期である。
いよいよかと勇んで園芸店に行く。
しかし、店内をぐるぐる回っても、目当ての品種はなさそうだ。
お店の人に聞いても、ないという。
ぼやぼやしていると、今年も逃すことになる。
焦って、2つか3つぐらい店を回るも、やはりない。
1つのお店の人がぽろっと「そういう地名のついた品種は扱ってないですねえ」と言ったのが気になった。
地名。そうなのか。
それなら、地名そのものの「安行」にならあるかと、
埼玉県川口市の安行の園芸センターに電話することにした。
果たせるかな、と言いたいところだが、なんと、そちらでも扱ってないとの答えだった。
ええええ、ここでも扱ってないのか!
もうネットで買うしかないな。
ネットは送料がかかるから、なるべく実店舗で買おうと思っていたが、
そういうことなら、覚悟を決めた。
サイトを見ると、すでに品切れになっている店もある。
ぼやぼやしてられん。よし、購入。
雨が降った翌日、植え付けた。
小さなつぼみが2つついている。
うまくいけば、来月には、うちでも「明月院ブルー」だ。
明月院 (鎌倉観光公式ガイド)
https://www.trip-kamakura.com/place/japanheritage/230.html