アップサイドダウン ― 豊洲市場の旅

1週間に一度は、と言いながら時間があいてしまった。

これを書く意味は、などと考えているうちにやらなくてもいいのでは、などと暗い考えが浮かんでくる。とにかく、もう少し、やってみよう。


好きなYoutuberが豊洲に行っていたので、私も行きたくなった。

彼が行ったのは「千客万来」という観光施設だったが、
調べてみると、豊洲市場そのものの見学ができるらしい。

天気もいいし行ってみるか。

ゆりかもめは無人運転で、先頭は進行方向に座席が並んでいるから、ジェットコースターみたい。

これで、じわじわと登り、ゴーっと爆走したら・・・!

やってきました、豊洲市場。

英訳では、TOYOSU MARKET。

そりゃそうなんだけども、日本語と英語と表記が違うと同じものとは思えない。

TOYOSU MARKET、

急に地元のスーパーの名前みたい。

トヨスさんが創ったスーパー。


ゆりかもめを降りるとさっそくそこここに張り紙があって、矢印の先にはこんなふうに書いてある。

「青果棟」「管理施設棟」「水産仲卸売場棟」

「飲食店舗エリア」には店名も明記してある。

それぞれ英語表記が必ずあるのも、こうした外国人客に人気の場所ならでは。

よしよし、どこにいくかな、わたしが行きたいのはあの店だ、こっちだな、などと先を進むと、
またもや張り紙が。

「マグロのセリ見学 ⇒」

おお、マグロのセリも見学できるのか、そりゃレアな経験だろうよ。

すかさず、その下には、

「tuna auction ⇒」

え、ツナ オークション?

あ、そうかマグロってツナだったっけね。

けど、マグロとツナじゃ、ずいぶん違うものだなあ。

マグロっていうと、こんな感じ。

ドドーン! でっかーい。

で、こんな感じ。

うわああぁあ、うましょう、まぐろ尽くし!

で、セリと言えば、こうだ。

冷凍マグロがゴローン。

けど、ツナっていうと、

・・・

こんなの?

急に日常感が・・・。

外国人は、ツナーーーー!、すげーーい!とか思ってるんだろうか。ふふふ。


そんな、英語と日本語の感覚の違いに茶々をいれつつ見学したのだが、

実際には、インバウンド客のみならず、
大学の同窓会組織だろうか、大学の旗を持ったガイドさんについて歩くおじさんたちの旅行グループもいた。

東京の新名所として観光先になってるんだなあと感じた。

見学ルートがあって、市場を上から見られるようになっている。

市場の歴史を伝える写真もあって興味深い。戦争を経てねえ、なるほどねえ。

東京都政の長年の懸案であったのも、うなずける。

ターレと呼ばれる構内運搬自動車が走るのも見たし、実際に乗れた。(もちろん走れはしない)


マンホールも展示してあって、蓋活(ふたかつ)をしている妹のために撮影した。

「魚河岸」「粋」、そのほかに「目利き」「築地」も。

妹に見せると、事業排水や厨房排水はレアとのこと。

まあそうだろうねえ、普通の道路にはない。


その後、市場内の老舗カフェでアイスクリームを食べた。1914年から創業111年と書いてある。

これは私が倒しちゃったのではなく、こういうふうに出てくるセンリ軒の「 ミルコーソフトクリーム」。

最初コーヒーフロートかと思ったら、オールコーヒーアイスクリームだった。

暑い中、歩き回って疲れた体に、冷えた珈琲の味が沁みわたった。

帰りは「万葉倶楽部」に寄り、東京湾を眺めながら足湯に浸かった。

遠くにレインボーブリッジが見える。

この景色に似たところで生まれ育ったので、懐かしい気持ちに。

有楽町線で豊洲駅まで来たけど、いつのまにか、海の下を通ってきたようだ。

地下鉄ってずいぶん地下深く潜ってるんだねえ。