ヒサカキの謎 ー芝大神宮と増上寺の旅ー

謎が好きなようだ、と言ったことで
謎を無理に探そうと、かえって自分を縛ることになってきたので、
謎がるのもこれでいったん打ち止めにしようと思う。

今日はヒサカキの謎である。姫榊とも書く。

うちの裏庭にはヒサカキが植わっていて、ちょうどこの時分、花が咲く。

庭仕事をしていると、なにやら強烈な、でも懐かしいような香りがするとそれがヒサカキの花で、

なんだっけ、これ、そうだ、たくわんだ、と思い当たると、もうたくわんにしか思えない。

緑の葉の陰にびっしりと鈴のような花を咲かせる。

ちょっと見には気づかないほどの小ささで、
外観と香りがそぐわず、
当初、このかそけき花がこれほどの強烈なにおいを発するとは信じられなかった。

ヒサカキについてよく言われるのが、
サカキ(榊)は、関東以西の温暖な地域でしか育たず、
関東以北ではその代わりとしてヒサカキ(姫榊)が神事に用いられる、という話である。

ふむ。ならば、この時期、東北の神社では、たくわんの匂いでいっぱいなのであろうか。

嫌いな向きもいるようだから、ヒサカキの森ともなれば、それはそれは大変なことであろう。

ハハ、冗談、じょうだん。


さて、過日、新しいことを始めようと思い、芝大神宮へ行った。

芝大神宮
https://www.shibadaijingu.com/

参拝を終え、東京十社巡りのミニ絵馬を求めた。

東京十社巡りはこちら。

東京メトロ24時間券でいく「東京十社めぐり」

ベンチで一休みしていると、お、これは! あの匂いではないか! 

背後から香ってくるのはまさしくたくわんの香り。

振り向くと、おお、やはりあった。

白い花がうつむいている。

ならば、芝大神宮は、ヒサカキの森なのか。

これがほんとの冗談から駒か、などと思ってよく見てみると、

手水舎の後ろにはサカキもヒサカキもあるのだった。

 

それに第一、ヒサカキばかり植わってはいない。

椿も桜も植わっている。

ヒサカキの森などと心配することはなかった。

だが、関東以西でしかサカキは育たないとか、関東以北ではヒサカキが用いられるとか、
いろいろ言われているが、
この際、本当のところを調べてみようと思った。


そして、それはあっけなくわかった。

森林総合研究所

サカキの分布図
https://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/prdb/sakaki.html

ヒサカキの分布図
https://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/prdb/hisakaki.html

予想に反して、さほど明確には南北が分かれてはいなかった。

それどころか、そもそも、ヒサカキも北陸、中部、東北の内陸には見られない。

寒さに弱いのだろう。

じゃあ東北の神社では何を神事に使うのかしらん、
という謎は私の手に負えなそうなので、そっとしておく。

亡父の墓は神道なので正しくは奥津城といい、
墓石の後ろにうちのヒサカキの挿し木がうまく根付いたので、
今年はサカキも植えるつもりである。

大きく育てば、奥津城参りに使えそうだ。


その後、増上寺に向かう。

増上寺
https://www.zojoji.or.jp/

大殿で焼香をする。

椅子が並べられていて、それへ坐る。
磨き上げらえた黒い床と金色の本尊を見ていると、
焼香のよい香りがただよってきて、
ずっとここにいたくなるような心持ちに。

ここはいいところだなあ、また来よう。


増上寺の隣りには都立芝公園がある。このあたりは空が広いなあ。

開花はまだだが、ピクニックしている人がたくさん。

花はなくとも、天気がいいほうがいいものね。

花見客を横目に見ながら、都内最大級の前方後円墳「芝丸山古墳」に着く。

そばに、突如、大きな虎の像が。

うっわ、かっこいい、寅年だから、虎は好き。

広場には稲荷神社があり、「増上寺の裏鬼門にあたる芝丸山古墳にあり」という文言を見、

あれは裏鬼門を守る、白虎ではあるまいか。

お、初桜発見! 開花日よりも前だったので、特にうれしい。


帰りがけ、新橋の「香川・愛媛せとうち旬彩館」に寄る。

みきゃんの靴下を探すも、みきゃんはなかったが、こみきゃんの靴下を発見。

見た目が小さくスタイの隣りにあったので子ども用かと疑ったが、ちゃんと大人用だった。

先日、道後温泉のどこかで買おうと思っていたが、案外に夜が早い町で、
夕食を食べているうちに軒並み土産物屋が閉店してしまい、涙を飲んだのだ。

ほくほくと帰途についた。

道後温泉旅行はこちら。すっかりみきゃんのファンに。

夢の蛇口みきゃんジュースー新春道後温泉旅行(12)