岩槻人形博物館「紫壇象牙細工蒔絵雛道具」
https://ningyo-muse.jp/modules/collection/index.php?action=PageView&page_id=7&filenum=zoomify01
「かわいいなあ、ちゃんと将棋の駒もあるよ」などとのんきにミニチュアの精巧さを愛でていたが、
そこで謎の物体を見つけるのである。
雛道具で、三面揃というのがある、
双六盤、碁盤、将棋盤の三つをいう、とある。
ふむ。
将棋と囲碁はわかる、これとこれだ。
じゃあ、残りのこれが、双六盤ってことになるが・・・?
なんかチガウ。これナンダ?
あの黒い枠はなんだ?
上に乗ってるのは、亀の甲羅にも見えるし、酒の入った革袋のようにも見えるし、鐘のようにも見える。
よほど小さく、展示ケースに頭を近づけ、目を細めてみても、何やらわからぬ。
とにかく、見たことがないものだということはわかった。
私の知っている双六は、マス目に絵が描いてあって、
さいころを振って出た目の数だけ駒を進めて、上がりを競うやつだ。
一回休み、とかあって。
それなのに、これはなんだなんだ、へんだへんだ、なんだあれは、と思ったが、
まあ、いいや、と特に調べることもなく、日々を過ごしていた。
そんなこんなで1年ほど経った頃だ。
アッと思ったのが、NHK大河『光る君へ』である。
ちょっと待った! 今のシーン!
指をさして大きな声を上げた。
なんと、左大臣と倫子が部屋でアレをやっているではないか!
なるほど、あの筒にさいころを入れて、振るのだな、
あんな感じに白と黒の駒を置くのか!
これが双六かあああああ!!!
食い入るように見、何度も巻き戻した。
ははあ、あの謎の物体は袋で、さいころと駒が入っていたのだな、とわかった。
頭の中の引き出しで眠っていた謎が、音を立てて躍り出してきた夜だった。
国会図書館によれば、盤双六は絵双六とは別の遊びで、
5~6世紀ごろから流行したが江戸時代には廃れた、とある。
今回は、ワトソンではなく、ちゃんと謎が解けたぞ。
もっと詳しく知りたいシャーロックはこちらを。
◎国会図書館>本の万華鏡 >第12回 紙の上の旅・人・風俗-江戸の双六(すごろく)-
https://www.ndl.go.jp/kaleido/entry/12/
◎大阪電気通信大学 木子研究室 「古代盤上遊戯」
https://www.osakac.ac.jp/labs/kishi/yuugi.html
◎和樂web