できるだけ週1回は投稿しよう。
妹が、両国に行かないかと誘ってきた。
初場所も終わったのに、ナニしに?
毛糸カフェがあるらしいんだ。
ずっと行きたかったけど、コロナで行けなかった。
ええー、行きたい、行きたい。
私は、コロナ禍を機にオンラインの編み物クラブに参加するようになった。
半年前にその展覧会が都立中央図書館で開催され、雑誌「毛糸だま」にその様子が掲載された。
『毛糸だま 2024年秋号 vol.203』(日本ヴォーグ社)
「ニットレポート フィンランドセンター グラニースクエア・プロジェクト」(76ページ)
https://nihonvogue.com/book/detail.html?id=2655&c=knit&d=07
プロジェクトと展覧会のことは、ここでも書いた。
それで、編み物にはとても興味がある。
アンティーク家具のある喫茶店では、毛糸も売っている、
毛糸メーカーが直営しているらしい。
あれ、KNITlaboの会社だね、編み物の基礎の記事は役立つのでよく見ている。
じゃあ、ランチに合わせて、両国駅に11時半に待ち合わせよう。オッケイ。
ところがその日、電車が事故でまったく動かず、
別の線を使ってなんとか両国にたどり着いたころには、
2人ともすっかり疲れてきってしまっていた。
それで、両国駅前に降り立ったら、目の前にちゃんこ屋さんのおいしそうな看板が。
あ、聞いたことある店だ、と妹が言う。
え、そうなの?
ランチメニュー、1人前1380円。いいじゃないか。
というわけで、ふらふらぁっと、吸い込まれるように入ってしまったのだ。
鶏と海鮮のちゃんこ鍋を食べているうちに、元気になってきた。
だけど、おなか一杯だよ。カフェどうする?
すると妹が目を輝かせて言う、じゃあさ、せっかくだから、マンホール探す?
妹は、マンホールカードとマンホールの写真のコレクションをしている。蓋活(ふたかつ)というらしい。
マンホールは各区が管理しているもので、区役所のウェブサイトに詳しいことが載っている。
調べると、墨田区のデザインマンホールは3つで、どれも両国駅の周辺にあるという。
これは珍しいことらしい。
北区なんて3つとも全然違う駅にあったし、
港区のセーラームーンは7つ集めるのに三田から麻布までずっと歩いたんだ、
と 妹は鼻息荒く話してくる。
あ、そう。私はまったく興味がないが、つきあうことにした。腹ごなしに歩いてみるか。
墨田区のウェブサイトには、マンホールの「住所」が掲載されている。
「住所」といっても、マンホールだ、特殊な表記になっている。
たとえば、こんなふう。
墨田区亀沢二丁目7番先
緑町公園沿い西側歩道上
なるほど。先、で、歩道の上、ね。
墨田区デザインマンホールについて
https://www.city.sumida.lg.jp/bunka_kanko/annnai/designmanhole-sumida.html
グーグルマップを使えば、すぐにわかりそうだ。
と思ったのが思わぬトラップ、これが思ったようではなかったのだ。
膨れたおなかをさすりながら、歩いていく。
マップではこの辺だがなあ。
うろうろするも、いつのまにか遠ざかってしまっている。
そうなのだ、住所じゃないのでピンポイントではないし、
このお店の隣りというような目印もなく、
地面に埋め込まれているから見つけにくい。
マンホールの写真に写り込んだ、道路の模様やら桟やらでアタリをつけていく。
この道ではないと思う、模様が違う。じゃあ、反対側かな。
妹はさすがに目ざとく、あ、あった、と先の地面を指さして小走りに走っていく。
なんでわかったんだよ?
きらっと光ったからね、とベテランの弁。
まずは、両国国技館のそばに、「ハッキヨイ!せきトリくん」
国技館の地下1階に整形外科があって「一般診療可」って書いてあるのが笑った。
お相撲さんじゃなくてもいいよってことか。
この看板のちょうど前に、デザインマンホールあるよ! っていうのは、マニアックな情報提供だね。
葛飾北斎 冨嶽三十六景 「神奈川沖浪裏」・・・すみだ北斎美術館のそばで発見。
すみだ北斎美術館のミュージアムショップは、インバウンド客がたくさん。
葛飾北斎 冨嶽三十六景 「凱風快晴」・・・回向院のそばで発見。回向院と言えば江戸だね。
そばに、霧島関のお店も。
鹿児島県姶良郡出身、と聞くや、それだけでうちはみな色めきだって応援していた。
マンホールカードをもらいに駅隣りの観光案内所に行く。
なんと外貨両替機があって、奥には土俵があり、江戸っぽい飲食店が並んでいる。
ここだけで、江戸の雰囲気満点。
両国は、北斎と相撲で外国人客に人気だということがよくわかった。
デザインマンホールの3つ目を写真に収めると、
カフェに行くにはちょうどいいころ合いになっている。
やっときた、「アンティークカフェ ウール倶楽部」
https://www.knitlabo.jp/antique-cafe-woolclub
ほんとはこっちが本命だった。
入り口におっきい毛糸玉と編み針のオブジェがあるよ。わくわくするな!
ふわあ、すっごくいいカフェだね!
毛糸のサンプルが壁一面にあるよ。 毛糸とキットも売ってる。
まずはケーキセット頼もうか。
待っている間にも、店内を見回す。
店員さんもみな、上質のセーターを着ている。
お隣りのお客さんもきれいな色のショール巻いてるね。
私も手編みの靴下履いてきたよ。
そんな話をしているうちに、珈琲が来た。
リモージュで飲むコーヒー最高。ケーキもすっごくおいしい。
きれいなものを見るのはいいなあ。
特別にオフィスの廊下の絵も見せてもらった。
ゴッホの「夜のカフェ」と「星月夜」の模写かと思ったら、
毛糸を貼りつけて作ってあるのだった。
両国の駅には、幅が広い自動改札口がある。
大きい荷物の方と書いてるけど、ほんとはお相撲さん用かな、ふふ。私も通ってみた。
駅の中に、歴代横綱の巨大な写真が飾ってある。
その先に、不思議な空間が。
赤いカーペットがずっと敷かれていて、その先に臨時ホームがあるという。
― これなんなんだろうね。
ー 普段は使われないホームって、原宿駅みたいだね。
― じゃあ、天覧相撲のときとか?
― なんで電車で来るのさ? 車で来たほうがいいだろよ。
― いや、ほら、こないだ大統領が来たじゃない。
― それこそ、車のほうが警備しやすいだろよ。
詳細不明ながら、3番線臨時ホームというのがあって、
それへ向かう長い長い廊下の真ん中あたりに、ストリートピアノが置いてあった。
おじいさんが一本指で曲を弾いていた。
ここいいなあ。私もいつか弾きに来たい。
先は行き止まりで、
普段は人が通らないから、 煩わしいことがなさそうだし、
廊下で音が響きそうだ。
何より、レッドカーペットがいいじゃな~い!
号外NET 墨田区
「【墨田区】すでに話題になっています!両国駅改札内、両国駅ステーションギャラリーに駅ピアノが設置されました。」
https://sumida.goguynet.jp/2021/03/27/ryogoku-streetpiano/