いよいよ、この旅行も終わりに近づいてきた。
夕方、梅津寺から帰ってきて、再び道後温泉駅へ路面電車でゆく。
道後温泉は3館あるのだが、今回時間の都合で、2館のみ行くことにした。
別館の飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)へ。
すっかり夜になり、明かりがともっている。
聖徳太子や斉明天皇も訪れたと言われる道後温泉の伝説から、
飛鳥時代の建築様式で建てられた温泉、ということで、
飛鳥は、あすか、と読むのだが、
ちょうど母が『飛鳥(ひてう)』というタイトルの歌集を出したので、
漢字が同じだからフェイスタオルをお土産に買うことにした。
歌集のタイトル「飛鳥」は、王維の五言絶句から採っている。
家族を亡くし、秋の山に鳥が飛ぶのを見ると物悲しさがいよいよ増す、という意味の漢詩だが、
うちの家族は、鳥を見ると亡父を悼む挽歌である歌集のことを思う習慣ができている。
太古の昔、白鷺が傷を温泉で癒した伝説があるため、
道後温泉にはそこここに白鷺がいて、ここにも。
飛鳥(ひちょう)としても、うまい具合だ。
道後温泉別館 飛鳥乃湯泉 https://dogo.jp/onsen/asuka