『坂の上の雲』ということで決めたこの旅行だが、
せっかく四国だからお遍路のお寺にも行ってみたいというのもあった。
ちょうどうまい具合に、道後温泉から徒歩20分程度のところに、
第51番札所「石手寺(いしてじ)」があった。
調べてみるとこのお寺には、四国八十八ヶ所霊場の砂が置いてあって、
それを撫でるだけで、遍路を巡礼したのと同じ功徳を得られるという。
なんと!
雰囲気だけでも、と思っていたところが、思わぬ功徳まで!
これはいかねば、いかねば。
巨大な三鈷杵(さんこしょう)が本堂の前にある。真言宗っぽいな。
金色で、強そうで、いかにも厄除けに効力がありそうだ。
いきなり国宝の仁王門があり、そこここに重文があり、
大きなお寺だなあと思っていたが、
境内を見て回るうちに、
木彫の原始的な五百羅漢が無造作に置かれていたり、
ちいさいお地蔵さんが床じゅうにあったり、
果てはマントラ洞窟があったりして、
なにやら妙な気持ちになってきた。
神秘的で、密教ってこういうものかと思った。
そしていよいよお砂撫でだ。
お寺の名前が書いてある白い袋が並んでいる。
屋外の縁側に置いてあるけど、幾重にも布が巻いてあって、こぼれたりはしない。
いいこ、いいこと撫でていく。
撫でるだけといっても、88個も撫でるのは大変だ。巡礼はさぞやと思う。
簡単版とはいえ、ついに結願か。
高野山のもちゃんとある。