道後温泉本館ー新春道後温泉旅行(6)

高速バスで早朝、目的地に着くと、かなりへとへとになっている。

まずは、ゆっくり体を伸ばしたい。

道後温泉はその点、ぴったりだった。

レトロな建物の道後温泉駅の前では、

坊ちゃん列車とからくり時計が出迎えてくれ、

道後ハイカラ通りを歩いていくとすぐに本館が見えた。

わあ、すてき、時代劇の舞台みたいだね。

しかも、これは書割じゃない、本当に入って利用できるんだ。

 

道後温泉に来るのは3回目なので、システムはわかっていた。

休憩室と浴衣は使わず神の湯の入浴だけで、その後坊ちゃんの間を見学したい。

 

朝8時、風呂は空いている。

客は5人ほどで、タイミングにより湯を独占できる時間もあった。

大きな湯船がどかんとある。

真ん中に湯釜という寸胴の巨大なのが鎮座し、中央に神様らしき像。

これは大国主命かと思われる。

背景に、大国主命と少彦名が描かれている陶板がある。

それで神の湯というのかしらん。

横を見ると「坊ちゃん泳ぐべからず」と木札があって、さっそくふふっと笑う。

天窓から朝の光が差している。

さあ、体を伸ばして温めよう。

(3枚ともに道後温泉PR用素材)


湯釜に万葉仮名で知波彌布留と書いてあったので読み始めると、途中から何と読むかわからなくなった。

少なくとも竜田川ではなかった。

このことは公式サイトにも載っておらず、不明のままだ。

不明でいいのである。

旅でわかったことがある。

行ってみないとわからないことはたくさんある。

何でも画面を通してわかるなんてことは、ないほうがいい。

 

入ってすぐの廊下が私は好きだった。

道後温泉の由緒を描いた絵がかけてあって、

聖徳太子や一茶や一遍上人が湯に来ている絵があって、

聖徳太子もここにねえ、などと思う。

所蔵:松山市(道後温泉PR用素材)

 

サウナとかジャグジーとか薬湯はなく、ととのうための椅子もなく、

わたしがよく行く銭湯とは違う雰囲気がある。

大国主命、聖徳太子、万葉集、

古い時代の日本とつながっている湯という感じが強くした。

言ってみればリアル『テルマエ・ロマエ』。

 

その後、坊ちゃんの間を見学する。3階は貸し切り休憩室が数室あるのみだが、見学といえば見られる。

早朝のため、ほかに客がいないので、貸し切りのようにここでゆっくりしてしまった。

 

 

売店では、バスタオルを買おうかどうかすごく迷った。

バスタオル1200円、フェイスタオル220円。

わたしは、新年から新しいバスタオルを下ろすことにしているが、

今年はまだ替えを買っていなかった。

もしよいものなら記念にここで買ってもいいのだが、

なにしろ着いたばかりで、これから数か所回るのに、持って歩くのも面倒だ。

どこでも買えるだろう、夕方、別館の飛鳥の湯泉にもいくし、そちらでもと思った。

思ったのが間違いで、これはここでしか買えないと後に知るのだった。

ネットでも売っていない。

わあぁぁああん!

なお、あとで別の理由があって買ったのだが、飛鳥の湯泉でタオルは600円でバスタオルは2000円だった。

実は本館、お買い得である。みかん石鹸も買えばよかった。

しかし、あそこであれを買っておけばよかった、という後悔もまた、よくある旅の楽しみかとも思う。

道後温泉本館

PR用素材ダウンロード

温泉内で写真を撮れない代わりに素材をDLできるサイトを用意してくれている。ありがたい。