5齢になって7日目。そろそろ蛹になるはずだが、まだ気配はない。
ただただ、たくさん食べている。
これまで食事するところは見なかったのに、ここ数日、私が見ているときにも食べている。
はじから一方向に向かって食べていく、スイカ食い。芝刈り機方式でもある。
何かに似ていると思ったら、そうだ、アリクイだ。
蛇腹状のからだをくねらせて、龍にも似ている。これにひげを生やしたら、と夢想する。
カシカシ食べて、そのあと満腹を味わうかのように、頭をもたげてゆっくり空を見上げている。
動かないので、山椒のトゲがのどにひっかかったのかと、またまた心配になるが、そういうものらしい。
ついに素手でも触ってみた。
触った感じは、さらさらしていて、どうということもない。
臭角を出したが、またもや3回目には出さない。
1日あたりの角出しの回数が決まっているのかと疑う。
家人は、あまりいじめなさんなという。
いじめてはいない、観察であると抗弁しておいたが、
本当の敵襲の時のために温存してほしいので、これ以上は触らないことにする。
鼻をくんくんさせてみたが、とくににおいは感じられなかった。
残念である。
体長は4センチになった。
節も実は7、8個になっていることがわかる。
模様だけでみると3節だが、
遠くの葉っぱを食べるために背伸びしているところを見るに、
7,8個に分かれていた。ずいぶん、大きくなったなあ。
あたまでっかちだったのも、身体の大きさが頭に近づいて、
今では芋虫っぽく、全体がほぼ同じぐらいの大きさになった。
山椒はずいぶんなくなったので、万が一のことを考え、
夜のうちに、柚子の枝を3本、わかりやすいようなところに立ててみた。
しかし、翌朝見てみると、依然山椒の枝のところにいる。
柚子、気に入らなかったのか。
柚子の葉が多少かじられているようにも見えるが、最初からそういう枝だったかもしれないので
確かなことは不明である。夜だったから、どんな枝だったかよく見なかった。
山椒が間に合えばいいのだが。
蛹になる前は、気に入った場所をさがすために、ずいぶん歩き回るそうだ。
いつ、家に引き取ってもいいように、観察のための箱を作った。
役に立ちますように、と思う。
目下の議題は、
1)蛹になる前に家に引き取るか、
2)蛹になって数日かたまってから家に引き取るか
である。
1は、どこかにいって見つからない問題の回避 だが、うまく蛹化するのか
2は、寄生バチに寄生されたらどうしよう
なやましい。いまのところ、そっとしておくことにする。