日別アーカイブ: 2019/08/29

2019/08/29

文学と建築で目を喜ばせる軽井沢旅行2/4

石の教会・内村鑑三教会は、中軽井沢駅から徒歩20分、星野エリアにある。上り坂なのでもう少しかかるような感じがする。途中でハルタでパンを買ってかじりながら、のぼっていく。(ハルタのパン絶品!)

壁に石が積まれた迷路のような道は中世のアッシジの町のようでもあり、またもっと原初的な信仰の姿のようでもあった。

石の道を行くと森の中に入っていく。その奥に大きな石の何かがうずくまっている。

あれか? 大きいっ!

全貌が見えない。太古の時代からあったような不思議な存在感。ナウシカが王蟲の抜け殻を見つけるシーンそのままだ。つまり、ダンゴムシのような構造をしているのだと思う。

教会内に入る。地下の内村鑑三記念館から入ったせいか、中はひんやりと暗い。階段室は天井からの光が落ちてきている。光が壁に沿う。アーチ形の石とガラスが交互に重なる、そのガラスから光が差し込む、その光に導かれるように礼拝堂に入っていく。教会にふさわしい設計。

礼拝堂は光に向かって開かれている。堂内には涼しげな水音がして、ふと見ると水が壁に沿って落ちている。蔦が植えてあり、祈祷のための椅子はなめらかな木でできている。明るく快適な場所。

 

教会へ向かう道

石のアーチが重なりあって建てられている。大地と一体となったデザイン。

石の間のガラスから光が落ちてくる。

礼拝堂の入り口。堂内は撮影禁止。

すてきなデザインのドアノブ。様々な素材の手触りが楽しめる設計。石、ガラス、木、水。

礼拝堂内は、これと同じようなデザインの祈祷のためのベンチがしつらえてある。すべすべで、撫でると本当に気持ちがいい。

2019/08/29

文学と建築で目を喜ばせる軽井沢旅行1/4

夏は軽井沢へ、母の知人が出演するというので加賀乙彦作品の朗読を聞きに行った。『永遠の都』、夏にふさわしい作品だった。陸軍幼年学校に通っていた主人公は、市井の人々は、終戦日前後をどう受け止め、どうすごしたか、当時の感じが浮かび上がってきた。

加賀乙彦さんとの集合写真に私も混ざっています。わーお!『死刑囚の記録』、高校生の時に読みました!とはとても言えなかった。後列中央は朗読をした女優の矢代朝子さん。朗読は解釈であると言っていたのが印象的だった。

会場は、フランス文学者、朝吹登美子の別荘「睡鳩荘」。ヴォーリズ設計。別の場所にあったものをタリアセン内の塩沢湖畔に移築された。テラスに座って湖をながめるこの配置はもともとここに建ってたかのようにぴったり。

軽井沢では秋や春も暖炉を焚くこともあるという。暖炉がしっかり作られている設計。白い大きな煙突が2つ。

暖炉の上のハンティング・トロフィーは水牛だろうか。これが外から見た大きな煙突のほうの暖炉。朗読はリビングでおこなわれた。40人満員。

リビングにさりげなくバルビエの作品が架けられていた。はわわ。さすがフランス文学者。バルビエの作品は一瞬でそうだとわかる、吸い寄せられる、個性的で、特有のにおいを発している。作家として大事なことだ。

ポット!ポット!ポット!(私はポットが好きだ。とくにこんなデザインのポットは!ほしいほしいほしい。)

池側から睡鳩荘に近づいてみた。ぐいぐい進むと次々に見せる姿を変える様子が面白い。あれ、この光景はなんだか見覚えがある、そうだ『思い出のマーニ―』だ、と思った。

アメンボボートに乗る。ペダルをこぐと湖面をぐいぐい進む。鴨が人間なんてへーだ、と我が物顔で泳いでいる。羽根が青くて美しい。夏は楽しい。

☆アナログハイパーリンクな読書

母→矢代朝子→軽井沢演劇部朗読会「加賀乙彦を読む『永遠の都』」→加賀乙彦『永遠の都』→朝吹登水子