日別アーカイブ: 2019/04/03

2019/04/03

おみおつけ

先日、下北沢に用事があって、初めて行くところだからといろいろ調べていたら、吉本ばななのブログに行きあたった。

松浦弥太郎のレシピ通りにパルミジャーノ・レッジャーノを削って作るホットドッグがおいしいと書いてあって、わたしもぜひ作ってみたいと思った。

松浦さんは、「おみおつけ」と言っていた。

うちでは頑なにおみおつけと言っていたけど、学校の友達は皆味噌汁と言っていてわたしは口にしてみてもその言葉にどうしてもなじめなくて、といって、おみおつけと堂々と言う勇気もなかった。へんなのー、おみおつけってなあに? 味噌汁でしょう? 子どもの頃は自分が他と違うことに恥ずかしさを感じていた。でも、松浦さんと同じならよかった。

よくこしらえるのはおみおつけだ。(略)ちなみに、みそ汁のことを我が家ではおみおつけと言う。(P.82)

ちなみに、おみおつけって三重敬語なんだろうか。

☆アナログハイパーリンクな読書

吉本ばなな→松浦弥太郎『明日、何を作ろう』

https://www.kadokawa.co.jp/product/321609000672/

2019/04/03

ヤービごっこ

『岸辺のヤービ』本の題名と表紙の絵を見て、ページをぱらぱらとめくって、勝手にこんな話かなと想像をめぐらす、ごっこ遊びのように。

たぶん、ヤービというのは、この主人公の名前だろう、葉っぱがかなり大きく描かれている、おそらくかなり小さい動物だ。岸辺というからには、海か川沿いに住んでいると思われる。それで、このヤービは肩掛け鞄を持っている。きっと、この子の冒険の話だろう、バッグにはお弁当とたぶんナイフなんかが入っているのだと思う。冒険にでかけて、ゆくさきざきで他者と会って、自分が何者かわかる旅。

ちらりとページをめくると、パパヤービとママヤービというのが見えた。家族で暮している、あるいは一族で暮しているのかもしれない、ムーミンみたいに。パパとママと離れて、迷子になって、でも最後には家に帰りつくのかな、お前、がーがーがーって鳴いてごらんとか言われて。

大きい人が出てくるようだ。そうか、佐藤さとるのコロボックルのせいたかさんのような人が出てくるのかもしれない、アリエッティのように見られてはならないのかも。それともピーターラビットのように、人間とは仲良くはならないのかしら。

 

読んでいく。

あ、やっぱりムーミンパパのように本を書いているし、ママは実はお転婆だ。このスーツはほしいなあ、詩人が出てくる、あこがれの存在だ、そう思っているうちに、だんだん梨木香歩の独自の世界に入り込んでいく。自分が自分であること、どうやってわれわれは生きのびていくか、何を食べ何を仕事とするか。子どもができることとおとなができること、やるべきこと。

全体に、イギリスの児童文学に雰囲気が似ている。「たのしい川べ」とか。草木や動物に魂が宿るとするアニミズムがある。私たちがイギリスのお話に惹かれるのは、共通して感じる文化があるからかもしれない。

追記) 川に散歩に行った。まっ白な鷺がいて嬉しい。緑が萌え出て春だなーと思う。

☆アナログハイパーリンクな読書

梨木香歩『岸辺のヤービ』

https://www.fukuinkan.co.jp/detail_page/yabi/

2019/04/03

植物と古典とファンタジー

梨木香歩『家守綺譚』
植物と古典文学とファンタジー、私が好きなものでできた短編集。話者が見聞きした不思議な話をしていく。中学生のときに書いた小説を急に思い出した、あれはこんな話にしたかったのだと思う。

中国に窓から美女が入ってくる古典があるが、本作では、掛け軸の中から亡き親友が訪ねてくる。時代は明治期のようだ。「庭球部」とか文明開化が身近で、電話もなく友人が訪ねてきて、話をしては帰っていく、少しだけ昔の話。

冒頭、庭木のサルスベリに恋をされて、いや、やはり懸想されてのほうが感じが出る、懸想されて、本を読んでやるシーンがある。
それを読んだとたん、庭にサルスベリを植えたくなった。わたしもたまに本を読んでやりたい、枝を揺らさせて喜ばしてやりたい。
リュウノヒゲも植えたくなった。あの青い、ツヤツヤした青い宝石みたいな実が庭にあったらいいだろうなあ。小さいころ、一日中遊んでいても飽きなかった祖父母の家の庭を思い出す。

サルスベリにも好みがあって、好きな作家の本の時は葉っぱの傾斜度が違うようだ。ちなみに私の作品を読み聞かせたら、幹全体を震わせるようにして喜ぶ。かわいいと思う。出版書肆からはまだまともに相手にされないが、サルスベリは腐らずに細々とでも続けるように、と云ってくれている。(p.12)

先日、知り合いのギャラリーで油絵を観ていて、それは山の絵だったのだけど、そのギャラリスト曰く、絵には山と海があるけどどっちが好き?。山派か海派ってこと?、犬派猫派みたいな感じだね。それぞれ自分はどっち派かという話になって、今までそんなこと考えたことなかったけど、あらためて考えてみると、私は海沿いで生まれたから海の絵はなじみがあるかもなあ、と言った。今住んでいるところは川のそばで、海がないから不満を感じることもある、たまに海を見たくなる。

そんなことを考えていたのだけど、作中、湖から水路ができて、その水が庭の池にそそぎこんで、河童やちいさな人魚が迷い込んできたり、川沿いでカワウソが釣りをしたりしているのを読むと、川もいいものだなと思う。時折へびが出るから油断がならないし、川沿いの道は互いにすれ違うほどの細さで挨拶が面倒でおっくうになっていた散歩に、行ってみようかという気になった。怪しげな長虫屋がへびを追っているかもしれない。

☆アナログハイパーリンクな読書
梨木香歩『岸辺のヤービ』→梨木香歩『家守綺譚』https://www.shinchosha.co.jp/book/429903/