月別アーカイブ: 2017年12月

2017/12/31 2017/12/26 2017/12/24

同業の夫婦、協働する夫婦

知り合いの画家夫妻。妻も夫もSNS、ブログでそれぞれが情報発信している。制作、展示以外に個人的な話も出る。

妻のほうのwebページをよく見ていたが、ふと思い立って 夫のほうものぞいてみた。すると、妻から見た夫や夫の制作と、夫本人による自身や自作について、芸術に関する考えとがずいぶん違う。いや相当違う。妻の発信する夫の発言によってそういう人だと思い込んでいたが、そうではない。いや、そうではないと断定するほどではないのかもしれない、そういう面もあるのだろうけども、そうでない面もあるということか。いずれにしても、自分が考えていたその人像が崩れて、混乱している。

この夫は、相当に先鋭的な考えを持っているが、妻に対してはただの甘い夫である。制作についての考えも異なる。私は、妻のほうとはあまり話が合わないが、夫のほうとはやはり話が合うかもしれないなあと思う。でも妻の話す「夫」とは、話が合わなそうだ。夫婦と会うと夫の本音が聞けそうもないので、夫とだけ会いたいが、そうもいかないだろう、夫婦とは面倒なものだ。

ふとわが身を振り返ってみる。以前は、夫と同じ考えを持っているように振舞おうとしていた。当然無理があって破綻したのだが、夫婦といえども独立した個人、同じ考えのはずがないとの前提がある一方、協働する場合はある程度共有はできていて対外的にすり合わせ済みなはず、と思われるだろう、クリントンしかり、オバマしかり、トランプしかり。しかし、そうだろうか、妻が合わせてきたのではなかったか。夫の上司に「夫がお世話になっております」とあいさつする妻はいるだろうが、妻の上司に頭を下げる夫がいるだろうか。

だんだん、話が横にそれてしまった。


このところ、キュレータのSさんや画家のNさんに、以前の作風がよかったのに、と立て続けに言われることがあり、それならまた描いてみるかという気になっているところへ、くだんの夫婦の夫が「こういう絵こそ観たい」と言っている絵が、まさに私が当初描いていたものだった。

Sさんは「独特の線」と言っていた。

Nさんに話を聞く際、隣りにいたメディアディレクターのKさんも後日、「独特の線」という言葉を使っていた。

自分には固有の線がある! 人としてこれほど嬉しいことがあるだろうか。しかも幸運にも自然に描くことができる線だ。

描いてみた。描いているときそのペン先の一点に集中する。線ではなく、点だ。できたもの、は、すでにわたしから離れたもの、本来は消えているはずのもの。これをゴールに作っているのではない。描くそばから消えていくはずのもの、時間のように。

だから制作と展示がうまくむすびつかなかったのだ、と今はわかる。でも、それを観たいという人がいる。それなら、と思う。

2017/12/23

誰と絵本を作ろうか

この間、朗読をしたんだと言ったら絵本作家のTさんが、「えっ自作なの? それじゃあ本は書かないの? お話作ってほしい〜」と言った。彼女は絵本も描くけど、挿絵も描く。あっそうか、今まで自分が美術作家だから、そんなこと言われるとはまったく想定してなかったけど、そうだよと思った。

物語を作ったら 誰かと一緒に絵本作れるじゃない!

美術作家は競合者じゃなくて、共同制作者になるんだ、と。

今まで知り合った作家の作品を思い浮かべた。あの人ならこんな絵描くんだろうな、あんな空、こんな翼、かっこいい絵、きれいな絵、やさしい絵。ずいぶん印象も変わるなあ。作家の解釈も加わるだろうなあ。誰の絵がいいかなあ、ぐふふ。

生まれうる絵本をいくつも思い浮かべてニヤニヤした。

「ぼくの手」という短編小説を朗読したよ、という報告を郵送しながらそんなことを思った。

2017/12/17

台湾小説

冬休みに台湾に行くことにした。台湾のことはよく知らないので予習をしようと小説を読んでいる。

恩田陸『私と踊って』所収「台北小夜曲」「火星の運河」

解説で恩田陸が書いている。

台北という街は、どこもかしこも懐かしく、歩いていると前世か何かの記憶に飲み込まれそうになる。昨年、台北を再訪した時の体験を基に書いた。

そうか、いいなと思う。楽しみになってきた。

ついでに読んだ「私と踊って」、ピナ・バウシュをモチーフにした短編が、またよかった。

吉田修一『あの空の下で』所収「旅たびたび 台北」「恋恋風塵」

台北の陽明山温泉のことが書いてある。私もできれば温泉に行ってみたいが。

椎名誠『あやしい探検隊台湾ニワトリ島乱入』 いつのまにかシーナ隊長は70歳になっていて驚く。一番最初のアヤタンは30歳だったのに。でもあいかわらずわしら、とか言っていて変わらないなぁと思う。

司馬遼太郎『台湾紀行 街道をゆく四十』 これはゆっくり読もう。安野光雅の挿絵が美しい。20年前の連載。

よしもとばなな『王国 その4』が出ていたらしい。これも読もう。

なぜ、台湾に行くことにしたか。よしもとばななの『王国 その3』の最後のシーンをふと思い出したから。占い、温泉、屋台、いいものをいっぱい持って帰ってきて、いい気分で帰ってくる。主人公はいろいろ問題を抱えていたのだけど、温かくほぐれていく。新しく人生を始める後押しとなる旅。そんなことが私にもあればいいと祈るように出かけようと思う。

 

★アナログハイパーリンクな読書

よしもとばなな『王国』→台湾→恩田陸『私と踊って』、吉田修一『あの空の下で』、司馬遼太郎『台湾紀行 街道をゆく四十』、椎名誠『あやしい探検隊台湾ニワトリ島乱入』

2017/12/10

まだ今日は6時間あるよ

いろいろやらなくちゃと思っていても、起きられない日がある。

「夜廻り猫」で、1ヶ月ぶりの休日なのに21時まで寝ちゃった、とうつむく女性。夜廻り猫の来訪がきっかけになり、今日が終わるまでまだ3時間あるねと思い直すシーンがある。

油断してぼんやりしたり、やるべきことになかなか着手できなくて、日が暮れてくると、私も自分にそう言ってみる。「まだ今日が終わるまで6時間あるよ」と。

あと半分もある小説。今日集中して読みたかったたけど、1ページでいいから読もう。

たまったスクラップ、1枚でいいから貼ろう。

レシートはバサバサのを四角にそろえるだけでいい。

明日のお弁当、はゆで卵だけつくろうか。

そうやって一つ何か進むと気持ちが落ち着いてくる。

☆アナログハイパーリンクな読書
深谷かほる『夜廻り猫』→『夜廻り猫』のクリスマス 〜深谷かほる作品展〜

11月22日(水)〜12月5日(火)
日本橋三越 本館7階 はじまりのカフェ GATE A・B/カフェスペース

http://www.mitsukoshiguide.jp/christmas/item14.html

http://morning.moae.jp/news/4059

こんな展示もいいなあと思った。いつも展示となるとコンセプトがーとかプレゼンテーションが―とか空間が―とか考えるけど、こんなふうにみんなを楽しませる展示もいいなあ。
平蔵と重郎のラテアート。ちいさいじゅーろが見ている。

2017/12/08

孤独のグルメごっこ

他人が何を食っただのということは全くドウデモイイが、『孤独のグルメ』は別だ。私もあれこれ頼んで1人で平らげたくなる。

渋谷に用があったので、「Season6第7話」に登場した、前に行ったら閉まっていた長崎ちゃんぽんの店にリベンジだ。

よしよし、営業しておる。先にハンズに行って、腹を減らしてからだな。

1人で行ったら円卓で相席、まるで五郎さんだ。おっ、例のソースが円卓に乗ってるぞ。酢もいいがソースもいいなあ。餡に酸っぱいウスターソースがぴったりだ。口の中がおくんちだ。よーし本格食いだ。隣の人は茹でた太麺か、あれも美味しそうだ、餃子も頼んでいたのか、むむデキル・・・。

一人で孤独のグルメごっこ。

★アナログハイパーリンクな読書

「孤独のグルメ」

2017/12/03

即興と朗読

3331の会場は4年前に即興のドローイング作品を初めて展示した場所。早大での多和田・高瀬の両氏によるWSは、ここでの受賞者展の方向性について思い悩んでいたときに出会ったものです。思えば深いゆかりのある場でした。朗読を初めてしたらそういう機会が急に降ってきて、不思議なことがあるものだと思っています。

2017/12/03

子犬ころころ

主宰する小学生の絵画教室で干支の工作をしました。おもちゃのような置物に、紅白のヒモをつけてめでたさ100倍。半球の木でできているので、指でつつくとコロンコロンと、動きもかわいい。

耳、目、鼻、3つの単純なパーツでも、組み合わせ次第で表情は無限。デザイン画をいくつも描いてから本番制作。たくさんあるとそれだけで楽しくなる。こうするとスヌーピーみたい、ブルーナのくんくんっぽくなった、鼻を赤くして奈良美智の犬、イオンにもいるねWAON!

できたできた。並べると賑やかでまたいいねえ。みんな工作が大好き。お迎えに来たお母さんやお父さんに見せて嬉しそうに持って帰る。

そういう様子を見て私も何かをもらう。