日別アーカイブ: 2017/10/14

2017/10/14

初対面でも作品を通して知り合うこと

忘れないうちに書いておこう。日々に流されていると、気づきがさらさらと風に失われてしまう。

このあいだアトリアの口頭審査で思ったこと。

キュレータのXさんは以前私の作品を観たことがあると言っていた。そして私は、Xさんが書いた評論を読んだことがあった。お互い初対面だったが、作品を通して知り合いだったのだ、と思った。同じ業界にいるとそういうことはままあるのだろうと思っていたが、意図せざる場面で私の身の上に現実として起こってうれしいことだった。数年間、制作を続けていた成果、私もある種のアート業界に所属している実感を得た。今日もまた、後年、こういうことがあった、と思い出す日々の一つになるだろう。

 

それとは別で思うこと。前に知り合いの作家から「直接お会いできませんが、作品を通してお会いできればと思っています」と言われて、それはキレイゴトなんじゃないかなと思ったことがあった。線が細く具合が悪くなることが多い彼女は人と会うのが苦手なんだろうと思ったのだが、その後、そういうことはあると思うようになった。つまり、直接会う人物そのものよりも、作品のほうが本人により近い、という意味で。

それでも、先日は、作家を見て、なあるほど、と思ったことはあったのだけど。

まあ、はるか昔に死んだ作家、遠い外国にいる作家とは、直接会わずとも作品だけを好きになるということはよくあること(だいたいそんなことばっかりだ!)で、作家と作品との関係についてはこんなものだろうと思う。作品に作家は現れる一方、外面だけでは計り知れない何かを身の内に隠し持っているのが作家だろうから。