カテゴリー別アーカイブ: column

2019/08/21

打ち上げ

展示が無事お開きになった打ち上げをアトリエで。

ずっと準備ばかりで夏休みはなかったので、ささやかに線香花火大会とした。

庭のシロバナヤブランとセミの抜け殻。夏も終わりだな。

2019/07/24

好きなものは何か修行

半年前にダンスのWSに参加していて、公演当日の衣装を決める日にわたしは赤いワンピースで行った。すると、一緒に出る小学生の男の子が寄ってきて「その服かわいいね」と急に言った。あ、なんか、スゴク、うれしい。子どもはうそをつけないから、否、うそをつく必要がないから、本当にそう思ったんだろうなと思った。派手すぎてちょっと恥ずかしいと思ったけどこれにしてよかったと思った。

また別の日、グループワークの合間に、参加者とトイレの洗面所で一緒になった。彼女は手を洗い、私は化粧直しをしていた。鏡越しに会釈して、これでも関係性としては十分なんだけど、それだとちょっとお互い冷たい感じかな、いやトイレだしいいか、という一瞬の間があって、するとその人は「そのブラウスかわいいね」と言った。わたしは唐突すぎて、「あう」としか言えなかった。

また1週間前、パネラーの荷物をお手伝いで持って移動する際、「そのお洋服すてきですね」と言われた。今日初めて会った人だ。

そういえば、最近友達になった同い年の人にも「その服かわいいね」と言われたことがある。

彼女たち3人はみんなすてきな服を着ている。自分に合った服を選んでいると思う。トイレで会った人は、「今日は、偶然ワークの内容に合ったグリーンの服を着てきてよかった」と発言していたし、年上のパネラーは人前に出るときは衣装として和柄のチュニックを着ていて(たぶんヨウジヤマモト)、終わると着替えていた(着替えてもイッセイミヤケ)。同い年の友人は、地味な色のでも光沢のある生地のスカートを履いていて、その玉虫色から目が離せないことがあった。私の服のことも言ってたし、服が好きなんだね、と言ったらちょっと照れて「あう」と言った。

 

以前は、20代のころに買った服、母にもらった服、知人がくれた服を着ていた。けどある時、自分の好きな服を選べるようになりたいと思って、意識的に服を選ぶようにした。すると、自分は実は服が好きだったんだと発見したし、今まで着ないような服を着てみたりして、楽しい。それが、他人にもつたわってるんだと思う。

声のこともそうだけど、服もその人がどういう人か表すと思う。大人になって自分がどういう人間かわかってきて、だから自分に似合うものがわかってきた、ということもあるだろう。

 

いいと言われているものかどうか、という価値基準で生きてきて(とくに服は便利かどうか、使えるかどうかだった)、与えられたものをよしとしてきて、自分が何が好きで何が嫌いか好きかよくわからなくなっていた。それで修行として、好きな服、好きな食べ物を意識的に選んでみようとやってきた。その成果が出た気がする。

(思い出した。伊藤比呂美が、自分を大事にすることがわからない人は、今夜何食べたいかなから始めればいいのよ と書いていたのがきっかけだった。)

2019/07/03

山田守邸「蔦 珈琲店」

庭がいいなあと思った。角地に建っていて、角の庭を囲うようにL字に建物が建っている。庭の木が茂って、すぐ目の前が道だなんてわからないぐらい、落ち着く空間になっている。庭もそう大きくはないのに、高低差を活かして広く見える。大きなケヤキが枝を伸ばしている。

解放感はほしい、でも人の目がうっとおしい。入り口はきゅうっと閉じて、プライベートな裏庭は開放的に、というイギリス式に通じる。

庭石もすてきだった。実際よりも距離感があるように見せていて、うねった先が草木で隠れている。あの先は何があるんだろう、と、メイじゃなくたって思う。

雨ばかりで気が滅入るが、こういうときこそ窓から湿った風景を眺めたい。喫茶店の椅子は黄緑色の布カバーで、それも新緑の庭と合っていて、あ、ここは住みたい、と思った。

蔦珈琲店の入り口 山田邸の入り口とは異なる。

向かいの家とは近いはずなのに、気にならない庭。枝をのばしたケヤキ。

すてきな庭石。小さい人になってたどっていきたい。

あっ黄緑色のソファ撮り忘れた。すてきだったのになあ。いや、また行けばいい。

2019/07/03 2019/06/28

サム・フランシス

先日知り合ったギャラリストから展覧会のDMが送られてきた。どこにあるどういうギャラリーなんだろう? webサイトを調べてみる。過去の、それこそ開業当初に、サム・フランシスの作品を扱ったようだ。小さなモノクロの画像にわたしは惹きつけられた。

観たいなあ、どこかで展示ないかな、数年前に大きな個展があったのか、残念。

諦めかけていたが、さらに調べると六本木のリッツカールトンのラウンジに大きな作品が常設されているという。なんと!

そして、コーネル目当てで行った川村美術館でも偶然、展示中だった。

今自分の取り組んでいる新作に通じると思う。そういうことじゃなく、ただ観に行ったのだけど、ちょうどいい時に観られたと思った。

自分の作品はモノクロだけど、シャガールとかマチスとか、色彩が鮮やかな作品に惹かれる。

サム・フランシス《無題》 リッツカールトン東京

H:4270 mmとのこと。現場で見るともっと大きく見えた。高い位置に架けてあるせいか、イメージが大きいせいか。

 

リッツカールトンのアフタヌーンティは目にもきれいだし、おいしいし、ゆっくりできたしで、3人でずっとおしゃべりしてた。山口に行くお友だちのお別れ会も兼ねて。

2019/06/24

花と蝶

グリーンショップの温室にウォーホル『花』のポスターが掛けてあった。緑ばかりのむっとする中に鮮やかな色。これはセンスがいいね。

ウォーホルつながりで、川村美術館のシャトルバスのウォーホルバージョン。

日本画の部屋がなくなって、代わりにウォーホルとかの部屋になっていた。ラウシェンバーグの原画を初めて観た。

 

アトリエにやってきた蝶。草間作品そのまま。

 

2019/06/22

手遅れにならずに済んだ話2件

ギリギリアウトだった話が2つある。どちらも肝が冷えた。

一つは展示。エントリーをどうするか決めかねていて、新作の進捗状況が見通しが立つまでは、そもそも出展していいものかどうか、どういう展覧会なのかよくわからないしなあ、出展による悪い影響も吟味しないと、どうしようかなあ、などと考えていて、でも、詳細を確認だけでもしておこうとウェブページを見てみたら、「すでに応募は締め切りました」。

文字通り膝から落ちた。スーッと体から熱が冷めていく、漫画みたいに。その瞬間、私は自分の本心を悟った、自分はとにかく出展したかったんだ、展示に期待していたんだ、と。行動に移さずにグズグズして私は大きなチャンスを失ってしまった!

だが、どういうあれでわかったのか覚えていないが、私が見たのは数年前のページで、今年分はまだ締め切っていなかったことが判明した。なーんだ、ほっとした。おかげで心が決まった、ゴチャゴチャ考えずどんどん申し込んでしまえ。

 

もう1件は、レンタルサーバーの更新契約について。

このところメールの管理をしていなかったので、リマインドメールが届いていても、広告だろうと思いこんでいた。すると、昨日で契約終了です、というメールにたまたま気づいた。サーバーは使えない、となるとこのホームページはすべて失われる。これまで6年間コツコツ作ってきた時間と労力を思うと、絶望した。

つい最近クレジットカードが更新されたのに、古いままの登録だったので、引き落としできなかった模様。支払いにはユーザーページにログインしろという。しかしログインできない。当然だ、もうユーザーではないのだから。このところの自分のずぼらさを呪った。

ユーザーでないと、メールでしか問い合わせができない。そうこうしているうちにウェブページが消えてしまうかもしれない。バックアップは取れない。何よりドメインがほかの人に移ってしまっては取り返しがつかない。焦る。何も手につかない。震える指でメールを打った。メールは送ったら送りっぱなし、電話みたいに相手にリアルタイムで確認できないツールであると痛感した。刻々と時間は過ぎていく。

結果的に、パスワードが違っていたせいで(私が失念しただけ)ユーザーページは生きていて、無事ログインできて、2日遅れで入金し、契約は途切れることなく継続できた。契約終了即削除とはならず、数日の猶予があるようだ。私みたいのがいるからだろう。本当に助かった。

とにもかくにも解決し、そのおかげでこうして更新できている。出展も決まった。

今回のことを反省して、契約内容を見直し、配信メールを最低限にし、保留にしていたメールも思い切ってゴミ箱へ、今後の行動ルールも決めて、ごちゃごちゃ考えずに反射的にアクトするようにした。

スッキリした。

(ただね、何でもかんでもログインだ、パスワードだ、という社会のしくみは本当に何とかならないかと思う。そんなことが膨大にあって管理しきれないよ。今だって面倒なんだ、年寄りになったらどうなってしまうのか。電話で支払いないけど契約終了ってことでいいのかい?とか確認してくれたらいいのに、と思う。その分高額になる、と言われればそれも嫌だよ。何もかもが嫌だよ。そういうことじゃないんだ、疎外されているということなんだ。考えてみれば、上述のトラブルはすべてデジタル化に起因している。こういう問題の解決こそAIに期待したい。)

 

失って初めてわかることって話は本当にそこらじゅうにあるけど、疑似的に失う経験をしたおかげで、犠牲を払わずに気づくだけで済んだ。運がよかったと思う。

2019/04/16

世界堂の前で

新宿の世界堂での買い物が終わり、さて帰ろうと伊勢丹の前あたりの道を歩いていたら、キュレータの友人とバッタリ! あれー、こんなところで偶然! これから新宿眼科画廊に行くんだけど一緒に行かない? 行く行く。

「こんな偶然ってあるんだね、この広い東京で!」と私が興奮気味に言うと友人は、でもね、大抵みんな美術界隈で動いてるからこういうことってよくあるよ、と。

新宿眼科画廊行ったことある?と聞かれて、うん、あるよ、5年前かなあ、Rさんの展示。え、私もそれ観たよ。じゃあ同じときに同じの観てたんだね。その時はお互い知り合いではなかった。

ギャラリーではグループ展が開かれていて、参加作家の一人と5年前の展示で一緒だったとわかり、初めましての挨拶をする。お互いに作品は知っていても、本人の顔は知らなかったりして、でも、すぐに打ち解けて、あの時こうだったとか、その後どうだといった話をして、うれしい偶然が重なった日だった。

「実はあの後、あなたの壁に直接描いた展示を観に行ったんです」と言われて、どこで誰が観てるかわからないなと思う。

 

新宿の世界堂はいつも混んでいる。みんな何か作ろうと思うものがあるんだなと思う。連帯感と、取り残されまいという気持ちがないまぜになる。

花園神社で花見も。境内ではトンカン工事をしていた。これってあの唐十郎の赤テント? まさか、でもここだったよね。本当に劇団が演劇の舞台を設営しているのだった。今って一体いつなんだ? たそがれ時、朱い鳥居と桜が幽遠で、マージナルな雰囲気が横溢していた。

2019/04/13

新年度

教室も新年度がはじまって、新入会の子が入ってきた。

前からいる子たちが何となくお姉さんぶってるのが、どうにもかわいい。

彼女たちにむかって「新しい子の面倒みてあげてね、いろいろ教えてあげてね」なんてことは私は絶対に言わない。みんなも私が絶対にそういうことを言わないのをなんとなく知っているから、おせっかいを焼くようなことはなかったけど、「これはこういうふうにやるんだよ、よく知ってるんだ、もうわたしココ「長い」から」とテキパキ、丁寧にやったりしている。つまりイイ子のヨソイキ顔になっている。

こういうのはかわいい。おせっかいなことを言わないようにしているのもかわいい。

きっと学校でも、親切に教えてあげてとか、学年が上がったんだからとか言われてるんだろうな。

だんだん地に戻っていって、そしたら新年度が終わりってことだろう。

2019/04/06

パーティ

友人のキュレーターに誘われて、VOCA展の内覧会とレセプションへ。金沢の美術館長、神奈川県の館長、あちらは倉敷から、沖縄からもといった感じで、美術関係者が全国から集まってきていた。私もたくさんの人と名刺交換し、お会いしたかった方とも少しお話できた。遠方の方で、正式な紹介がないとなかなか会えないと思っていたのに! 知っていることを精一杯話す、なるべく共通の話題で。でも、ない場合は、しょうがない、自分のことを話すしかない。

わたしがナンダカンダと話しかける様子を見た友人は、「ヒナコさんは本当に社交的だよね! 初対面なのに何の話してたの?」と驚いたように言う。そう言う友人こそ社交的で、会う人会う人知り合いで、みんなあなたと話したがっている。そんなことはないよ、普段は引きこもって誰とも会わないよ、あなたと一緒にいると相乗効果みたいにそういう面が呼応して出てくるだけで、と答える。

こちらがあらかじめ知っている相手には、私が知っている相手の情報を話すようにする、自分に興味がある人に人は好感を持つものだから、とは先日受講したEnglish Presentation の講師が話していた内容だ。でも、すでに知っていることを聞いてどうだというのだろう、だって、それについては自分が既によく知っているのだから。それより、知らない人と知り合うのがパーティだとすれば、相手が知らない私自身のことを話したほうがいいのだろうか。

その日私が会いたかったのは、S氏とM氏だった。S氏は、私が月に一度出席している勉強会の先生の友人で、ちょうど講義でも話題に上がっていた方だ。勉強会のメンバーでと自己紹介すると、親しみのある表情をなさった。M氏は、以前あるアートイベントで講演されたのを私は聞いていた。そのことを話し、その時に通訳をした友人のことを話した。あの時ね、とうなづかれていた。私という人間を立体的に伝えることができたのではないかと思う。

いずれにしても、紹介してくれる人がいるパーティというのは、居やすく、自分の良い部分が自然に出る場は、伸び伸びできていいものだなと思う。本来、自分はこういう人間だったと思い出せた。

おいしいフィンガーフード

オープニング挨拶