作成者別アーカイブ: hinako

2019/09/12

はじめての石けんづくり

気晴らしに『お風呂の愉しみ』を読んで作ることにした。

ものづくりは楽しいなあ〜。

実験ばかりだったから、レシピがしっかりしてるものを作るのが、シンプルにものづくりを楽しめてる気がする。

1時間おきにかき混ぜてー、明日型に入れて寝かしてー、固まったら切ってー、熟成させてー、それからそれから、うふふふふ。

楽しみ楽しみ。先の楽しみがあると生きていけるよ。

クリーム色になった石けんのタネ。

2019/09/11

高畑勲展

「高畑勲展」を観に東京国立近代美術館へ。

高畑さんは尊敬する人。生き方が憧れ。クリエイターだけど研究者肌で。

学生時代に衝撃を受けて何度も観た映画について研究して本を書いて、後年、その映画の作者の詩のアンソロジーも作った。日本のアニメーションの起源を絵巻物に求めた。フランス文学を学んでフランス映画が好きで、フランスのアニメーションをたくさん日本に紹介した。こんな素晴らしい人生ってあるかな。

展示品のジオラマ

子どもの心を解放し生き生きさせるような本格的なアニメシリーズを作るためには、どうしなきゃいけないのかということを一生懸命考えた。
『高畑勲展――日本のアニメーションに遺したもの 』(東京国立近代美術館)

ハイジの、厚着していた上着を脱ぎ捨てて自由になっていくシーンは、心を解放させる過程であることに気づく。かぐや姫も一枚一枚着物を脱ぎ捨てて駆け抜けていく。私たちを束縛するものの象徴としての服。今でも。

『かぐや姫の物語』は、公開時の社会の雰囲気を覚えている。内容ばかりが議論されて、「線は非常に生き生きしたものを表現する力があるんじゃないか」それを実現するための途方もない挑戦については知らなかった。大きいスクリーンで見直したい。

スケッチがキーワードとなった『かぐや姫の物語』では作画における、線の途切れ・肥痩(ひそう)・塗り残しこそが重要だとされました。
『高畑勲展――日本のアニメーションに遺したもの 』(東京国立近代美術館)

「背後にあるものを感じられる線そのものの力」この言葉にわたしも力づけられた。

 

思わずいろいろ買ってしまった。

パパンダの指人形。かわいいかわいい。PCのデザインにマッチしている。

「こんにちは、おじょうさん。よいお宅ですね。特に竹やぶがイイ!」

パンちゃんのマグカップ。かわいすぎる。「おべんと、おべんとー」

2019/09/10

子どものための美術館ツアー「レオ・レオーニ展」に行ってきました

子どものための美術館ツアーを実施しました。「レオ・レオーニ展」(損保ジャパン日本興亜美術館)へ。

みんな大好きレオ・レオニ。

絵本の原画がいっぱい、スイミーにフレデリック、マシュー、コーネリアス!

原画だとコラージュしているのがよくわかる。紙が透けて見えたり、「ここのとこ、ノリ剥がれてるね」なんて発見も。

マシューの絵本では、美術館に行くシーンがある。あ、これ、今の私たちみたい!

絵本をじっくり読めるスペースもあって、原画を観た後は、みんな熱心に読んでた。

2番目の部屋は、フレデリックにジェラルディン、マシュー、3ひきのねずみたちの展示。

フレデリックはコラージュ、マシューはコラージュと絵の具、ジェラルディンは色鉛筆。フレデリックはモノトーン、マシューはあざやかな色。みんなねずみだけど、ちょっとずつ違う。どの子が好き?

詩人、音楽家、画家、そうか、ここは芸術家たちの部屋だったのかと思う。レオ・レオニはこのように芸術がみんなの役に立つ良いものなんだと言っている。

 

2019/09/08

文学と建築で目を喜ばせる軽井沢旅行3/4

三笠ホテルは、軽井沢駅からレンタサイクルで行く。

暑いけど、森の中に入ると涼しい風。

 

別荘地を抜けて、人もあまりいなくなって、ずいぶん上ってきたけど道はこっちでいいのかな、と不安になるころ、森の中にホテルが現れる。

窓から見えるのは緑色。木が見えるというのじゃなくて、緑色に包まれて、室内にいる人も緑色に染まっていく。こういう窓辺で一日中すごしたい。

三笠ホテルの創業者は実業家の山本直良で、妻は有島武郎の妹。弟の有島生馬がホテルのロゴマークを手掛けている。

MikasaのMとHotelのHを三つの笠で囲んでいる有島生馬のデザイン ライティングテーブルやクローゼットにも。

2019/09/08

芸術鑑賞WS『スイミー』と同じ技法で絵を描こう1/2

損保ジャパン日本興亜美術館「レオ・レオーニ展」ツアーに合わせて、芸術鑑賞WS「『スイミー』と同じ技法で絵を描こう」を実施しました。

最初に絵本の読み聞かせ。

「この絵、どうやって描いたと思う?」よく見てみよう。身近なものでできているよ。

あかいさかなをスチレンを彫って作ろう。スーパーでお魚やお肉が入っているのはスチレンのお皿だよ。鉛筆でギューギュー押すと、へこむよ。

こんぶとわかめはレースペーパーで作ろう。お菓子を並べたりするのに使うよね

じゃあ、レオ・レオニと同じ技法でスイミーのいる海の中を絵を描いてみよう。

かわいいのができた!

目がある子たち

ひれがある子たち

いろんな方向に泳ぐ子たち

みんなで同じほうへ泳いでいく子たち


じゃあ、次は、おうちにあるもので、何か使えそうなものはないかな?

わたしが探したのはこれ。
クリップ、洗濯ばさみ、ペットボトルのふた、ゴーヤの輪切り!
クリップと洗濯ばさみは海の植物、ペットボトルのフタは水の泡、ゴーヤは海の中の岩になったよ。

みんなはどんなもので、どんな絵を描くのかな?
「WS『スイミー』と同じ技法で絵を描こう2/2」(9月下旬公開予定)に続きます。

2019/09/06

秋にワークショップをする予定です

10月に地元の植物園のイベントで子ども向けのワークショップをする企画が進んでいます。

大きなスペースを使う制作は一人ではなかなか企画できないので、こういう機会は本当にありがたい。

場所が植物園なので、参加者に手形で木の葉っぱを描いてもらおうと考えています。描く前に葉っぱ体操なんてどうかなと、ワクワクしながら企画中。

ムナーリみたいに、木のワークショップができそうでうれしい。

 

WSのためのアイデアスケッチ

 

2019/09/06

プロデューサー目線でブラッドベリを読む

7月、ショーン・タンが「あなたの好きな本は?」という質問に、レイ・ブラッドベリを挙げていた。会場は全員、大きくうなづいていた。私も訳知り顔にうなづいてみた。でも読んだことはなかった。

同じく7月、村上春樹が子ども時代の心の傷についてトリュフォー監督について書いていたので、本当は『大人は判ってくれない』が観たかったのだけど、手に入らなかったので、代わりに『華氏451』を観ることにしたが、この原作がブラッドベリだとわかった。

8月、『ポーの一族』展を観にいく。萩尾望都がブラッドベリ原作の作品を描いていることを知る。

そういえば昔シナリオの勉強をしていたころ、「ブラッドベリを未読だという人に対して人生を損していると思っていたが、最近は違う、「あなたがうらやましい、初めてブラッドベリを読む喜びを持っているのだから」と思うようになった」というようなことを書いていた人がいた。

今こそ、かもしれない、という経緯で読んだ『火星年代記』。

その水晶の柱の家は、火星の空虚な海のほとりにあり、毎朝、K夫人は、水晶の壁に実る金色の果物をたべ、ひと握りの磁力砂で家の掃除をする。
(ブラッドベリ『火星年代記』)

夜の明け方、水晶の柱のあいだからさしこんできた日の光が、睡眠中のイラを支えていた霧を溶かした。イラが身を横たえると壁から霧が湧き出て、やわらかい敷物となり、その敷物にもちあげられて、イラは一晩中床の上に浮いていたのだった。(略)今、霧は溶け始め、やがてイラの体は目覚めの岸に下りた。
(ブラッドベリ『火星年代記』)

「さあ、スカーフをして」夫はガラス壜を手渡した。(略)ガラス壜から流れ出た液体が、青い霧に変化し、ふるえながら夫人の顎にまつわった。
(ブラッドベリ『火星年代記』)

これは、宮崎駿に作ってほしい。行動一つ一つが丹念に描かれるのを見たい。きっと優美な動きをするに違いない。水晶の柱の家ってどういうのかしら。

それは翡翠色の昆虫に似た機械で、祈っているカマキリのようなかたちをしていた。冷たい空気をかきわけて、精巧に走ってきた。その体には無数の緑色のダイヤモンドがきらめき、複眼のように輝く赤い宝石がついている。六本の足は古代の街道を走るとき、俄か雨のような音を立てるのだった。その機械の背から、つやのある金色の目をした一人の火星人が、まるで井戸をのぞきこむようにトマスを見下ろした。
(ブラッドベリ『火星年代記』)

これはショーン・タンに。火星人と地球人が出会って不条理な出来事が起こり、やがて別れるのは、彼にピッタリのモチーフ。地球人は『ロスト・シング』の「彼」に登場いただき、火星人に会う。金色の目、と書かれているだけの火星人はどういう顔をしていて、緑の機械はどういうものになるのか、考えるだけでワクワクする。

 

地球にひとり生き残った男が他に誰かいないかと方々電話をしまくり、やっと一人の女を見つけて有頂天に、だが、実際に会ってみるとそれが醜女で、最後は彼は逃げ出す、という短編は、アードマンに作ってほしいけど、このままだと不愉快な話。女性は最初は美しいけど、ふと見ると顔面がドローっと溶けて、という別の短編を融合したら納得する話になりそう。ウォレスはすぐコロッといっちゃう男だから、最初は花なんか贈ってメロメロなんだけど、ホラーチックにして、最後はグルミットと一緒なら幸せさ、なんていう結末に。

 

「200年後、火星の少年が親に隠れながらベッドでこっそり僕の本を読む」と言うブラッドベリは幸福な作家だと思う。火星が、ブラッドベリの目には明らかに見えているのだと思う。

https://book.asahi.com/article/11642917 書評「火星で僕の本が読まれるだろう」川端裕人

 

ショーン・タン、宮崎駿、アードマンという制作者に依頼したい、というプロデューサー目線で読んだが、トコロデ「アナタは作家である。自分自身に依頼したいと思わないのか」といえば、正直言うと、わたしにはまったく火星が見えないのだ。ブラッドベリの書く情景はもちろん見える。読書とはそういうことだ。だけど、それをもっと拡張させて、こういう世界だ、ここには描かれていないがこういうこともあるのではないか、つまり「ある」ようには考えられない。

それで、わたしは、ああいった作品を作っているのだと思う。つまり、何かできごとに接し思ったことを書く、という随筆的な作品を。文字通り鴨長明。

 

☆アナログハイパーリンクな読書
ショーン・タン スカイプトーク@日本女子大、萩尾望都→レイ・ブラッドベリ作 小笠原豊樹訳『火星年代記(新版)』←トリュフォー『華氏451』←村上春樹「猫を棄てる」

2019/09/01

ナイトプール行ってきたー♪

周りは暗くて、背泳でプカプカ浮かんでいると、夜空しか見えない。

青い人工的な光と、水中のくぐもった音。

この感じ、なんだろう。ほかにはない気持ちの良さ。

宇宙ってこんな感じかなと思う。

オープンすぐは誰もいなくて、辺りもまだ明るくて、飛び込み台もないから、けのびした姿がデビッド・ホックニーの絵みたい!とか、

もぐっている人を上から見下ろすと、21世紀美術館の常設作品みたい!とか

光るボールをさわるとチームラボみたいに色が、、、あ、変わらないね、とか

考えることが美術作家っぽくなってきたなと自分で思う。

 

「採暖室」という名前のサウナがあって、室内にはクラシックが流れ、目の前には素通しの全面ガラスごしに、屋内プールの青い水がゆらゆらしている。たまに上手なスイマーがバタフライで通ってターンしていく。

エンドレスな感じ、このサウナ、最高!

目の前がガラスになっていると、狭い部屋に押し込められた感じがない、他のサウナでもこうすればいいのに、と思ったが、考えてみると、サウナ室の一辺をガラス張りにしたところで、見えるのはみんなの裸。ごしごし体を洗ったり、暑さでふへぇえとなっている顔。見られるのも見るのもちょっとな。断熱の効率性の問題かと思ったが、だからか、他のサウナでこうなってないのは!

2019/08/29

文学と建築で目を喜ばせる軽井沢旅行2/4

石の教会・内村鑑三教会は、中軽井沢駅から徒歩20分、星野エリアにある。上り坂なのでもう少しかかるような感じがする。途中でハルタでパンを買ってかじりながら、のぼっていく。(ハルタのパン絶品!)

壁に石が積まれた迷路のような道は中世のアッシジの町のようでもあり、またもっと原初的な信仰の姿のようでもあった。

石の道を行くと森の中に入っていく。その奥に大きな石の何かがうずくまっている。

あれか? 大きいっ!

全貌が見えない。太古の時代からあったような不思議な存在感。ナウシカが王蟲の抜け殻を見つけるシーンそのままだ。つまり、ダンゴムシのような構造をしているのだと思う。

教会内に入る。地下の内村鑑三記念館から入ったせいか、中はひんやりと暗い。階段室は天井からの光が落ちてきている。光が壁に沿う。アーチ形の石とガラスが交互に重なる、そのガラスから光が差し込む、その光に導かれるように礼拝堂に入っていく。教会にふさわしい設計。

礼拝堂は光に向かって開かれている。堂内には涼しげな水音がして、ふと見ると水が壁に沿って落ちている。蔦が植えてあり、祈祷のための椅子はなめらかな木でできている。明るく快適な場所。

 

教会へ向かう道

石のアーチが重なりあって建てられている。大地と一体となったデザイン。

石の間のガラスから光が落ちてくる。

礼拝堂の入り口。堂内は撮影禁止。

すてきなデザインのドアノブ。様々な素材の手触りが楽しめる設計。石、ガラス、木、水。

礼拝堂内は、これと同じようなデザインの祈祷のためのベンチがしつらえてある。すべすべで、撫でると本当に気持ちがいい。

2019/08/29

文学と建築で目を喜ばせる軽井沢旅行1/4

夏は軽井沢へ、母の知人が出演するというので加賀乙彦作品の朗読を聞きに行った。『永遠の都』、夏にふさわしい作品だった。陸軍幼年学校に通っていた主人公は、市井の人々は、終戦日前後をどう受け止め、どうすごしたか、当時の感じが浮かび上がってきた。

加賀乙彦さんとの集合写真に私も混ざっています。わーお!『死刑囚の記録』、高校生の時に読みました!とはとても言えなかった。後列中央は朗読をした女優の矢代朝子さん。朗読は解釈であると言っていたのが印象的だった。

会場は、フランス文学者、朝吹登美子の別荘「睡鳩荘」。ヴォーリズ設計。別の場所にあったものをタリアセン内の塩沢湖畔に移築された。テラスに座って湖をながめるこの配置はもともとここに建ってたかのようにぴったり。

軽井沢では秋や春も暖炉を焚くこともあるという。暖炉がしっかり作られている設計。白い大きな煙突が2つ。

暖炉の上のハンティング・トロフィーは水牛だろうか。これが外から見た大きな煙突のほうの暖炉。朗読はリビングでおこなわれた。40人満員。

リビングにさりげなくバルビエの作品が架けられていた。はわわ。さすがフランス文学者。バルビエの作品は一瞬でそうだとわかる、吸い寄せられる、個性的で、特有のにおいを発している。作家として大事なことだ。

ポット!ポット!ポット!(私はポットが好きだ。とくにこんなデザインのポットは!ほしいほしいほしい。)

池側から睡鳩荘に近づいてみた。ぐいぐい進むと次々に見せる姿を変える様子が面白い。あれ、この光景はなんだか見覚えがある、そうだ『思い出のマーニ―』だ、と思った。

アメンボボートに乗る。ペダルをこぐと湖面をぐいぐい進む。鴨が人間なんてへーだ、と我が物顔で泳いでいる。羽根が青くて美しい。夏は楽しい。

☆アナログハイパーリンクな読書

母→矢代朝子→軽井沢演劇部朗読会「加賀乙彦を読む『永遠の都』」→加賀乙彦『永遠の都』→朝吹登水子