おそるおそるは恐い言葉

こういう作品を作ろうかなというアイデアがぽんと浮かぶ。よしよし、と考え進めていて、はたと、これはあの人がすでに作っていたな、と気づく、そんなことがこのところ何回かあった。

このあいだ『新解さんの謎』で、こんなふうに引用されていた。

おそるおそる  どなりつけられたり笑われたり失敗したりするなどの不結果を警戒して、なかば逃げ腰で(控えめ勝ちに)事を運ぶことを表す。

ふぅむ。おそるおそるの感じがすごく出ている。自分がおそるおそるやったことを思い出す。こういう姿勢だったなぁ。不結果、なるほどなぁ、その通りだな。そこで思う、こういう恐い言葉を全部抜き取っていったらナポレオンの辞書になるんじゃないか。で、恐い言葉というのは、その時代の社会を反映するわけだから・・・とここまで考えて、あ、と気づいた。「無敵の辞書」。タイトルまで考えたのに。

またある時は、毎日時間を限定してドローイングを制作しているけどそれを作品にしたら、と考えて、あ、とまた気づく。あの人はこんなことを考えていたんだろうか、と思う。

もちろんアイデアだけで成立するものじゃないし、加えて私にとっては、一つだけ作った、というのは作品にはならない、いくつも作れる、あるいはずっと作れるというかずっと興味を持ち続けられると確信できるものなら作品になると思っているので、「ちょっと頭で考えついた」だけではまだまだ甘いのだけど。ただ、甘いかどうかは作ってみないとわからない。それこそ頭で考えていただけではわからない。

ずっとそれで遊んでいられるか、(『ピカソに見せたい!』)

☆今日のアナログハイパーリンクな読書
赤瀬川原平『新解さんの謎』・・・山本容子『ピカソに見せたい!』