銅版画始めました

今月から期間限定で銅版画を習い始めた。このあいだ最初の講座だった。

その楽しさを熱のあるうちに書いておきたい。

 

奥のアトリエに案内された瞬間、何ここ―!と思った。とにかく素敵すぎる。

銅版画制作には薬品や大きな機械が必要で、瓶や大工道具がごちゃごちゃとおいてある奥には、錆色のシンクがあって、鋳物工場のような雰囲気だ。

壁には画集と本が並び、上方には額に入った絵と展覧会のポスター、ボードに貼ってある古い展覧会のチケットが色あせている。誰か作家の作品らしきものも無造作に架けてある。作業用の大テーブルには、外国映画のフライヤーが挟まっていて、クッションが重ねられた椅子に座ると、隣りでは昔ながらの石油ストーブの上でヤカンがしゅんしゅんいっている。

ロスコと駒井哲郎のポスター、浜口陽三の画集、コーネルの本がある、石元泰博が亡くなった記事の切り抜きも。モナリサーと歌う洋楽が聞こえる。

初めてなのにずっとここにいたような気になる。ここは外国の山奥の小屋で、外は雪が積もっていてわたしたちはここで一日中こもって作業をしているのだ。銅版画はドイツとか北欧とか寒い地方で発達した芸術なんですよ、今日みたいな日に作業するのはピッタリですという講師のことばを聴きながら、アキ・カウリスマキの映画のフライヤーに励まされ、つるつるとニードルで描いていく。雪でもなんでも降ればいい。