2019/11/15

バスキア展とつげ義春展

バスキア展に行ってきた。

大きなサイズの作品がたくさんあってサイズのことを私はずっと気にしながら観た。

入場するのに大勢の人が並んでいるのを見てふと思ったのだけど、わたしは美術作家でなかったら観に来ていたかなあということだ。

最近は美術館に行くのも他人の作品を観るのも、自作の栄養にしようと思ってのことで、そういう意味では純粋に美術鑑賞しているのではないと思う。美術が好きというよりも。

自分の作風は、実は大きい作品に向いているのではないかと思い始めている。だから今はサイズのことばかり気になる。だいたい2M×2Mか、120号がいくつも並んだ展示室はいい感じだった。だけど、大きい作品を作るには、クリアすべき課題がある。制作及び保管スペース、それにキャンバスは作ったことがないからなあ。

 

それはそれとして、帰りがけにカーテンが奥にかかった一角があって、つげ義春展と書いてある。準備中かな、と思ったら、この小さなコーナーが展覧会だという。なんと「ねじ式」の原画が展示されていた。ついでに見られてなんかうれしかった。

つげ義春本人と「ねじ式」の少年はやはりよく似ていた。わたしの「作品は作家に似る説」をまた証明するケースである。

ほら、ね?

鼻とか目とか口元そっくり。

原画を手前に、展覧会名を裏から撮ったら鏡文字になって、気に入っている写真。

イシャはどこだーと「眠科」と看板がでている街を歩くシーンは、誤植がかえって不条理さを増していて、こっちのほうがいいと思うのだけど、のちに正しく直されているらしい。

文字と絵がある、というのはわれわれは漫画表現で慣れていると思う。文字が画面に出てくるバスキアの作品を観て、つげ作品を観て、そう思った。


美術というより、別の意味で注目されている作品。
でもこの作品はたしかにほしくなる作品だと思う。世田谷美術館蔵の作品《SEE》と、個人蔵の黒い画面に白いシルクスクリーンインクで文字が描かれた作品《中心人物の帰還》もほしい作品。

とは、自分でもびっくりする感想。今までコレクターってどういう心持なのかしらんと思っていたから。やはり、2作品とも日本人の個人蔵なのが、自分も、と思う契機になっているようだ。そう思った鑑賞者もいるかもしれない。

《SEE》は https://www.setagayaartmuseum.or.jp/about/collection/modern_contemporary/

《中心人物の帰還》は https://casabrutus.com/art/118157/3

《SEE》とは別の作品の部分。シルクスクリーンインクは強さがあってきれいだ。ペンのように描かれているけど、シルクスクリーン技法で描かれているのか、それとも、インクを出すようなペンを自作しているのか。


六本木ヒルズ52階から見た夜景。空と分かつ明かりの線がまっすぐ一直線で、でこぼこした街の風景でも水平線が生まれるのだなと思った。それほど遠くから俯瞰できる場所だということにも驚愕した。果たしてこんなふうに世界を見ていていいのだろうかと思う、神の視点ではないのかと。ムスカのようになってしまいそうで、一方でぞくぞくするほどの興奮もあって。

 


バスキア展 メイド・イン・ジャパン
2019.9.21(土)~ 11.17(日)
森アーツセンターギャラリー

つげプロジェクト VOL.1 ねじ式展
2019年10月30日(水)~12月1日(日)
六本木ヒルズ森タワー52階 THE SUN & THE MOON内 東京カルチャーリサーチ