2019/08/13

コーネルは元祖引きこもりではなかったのか

『ジョゼフ・コーネル — 箱の中のユートピア 』を読むと、コーネルは元祖引きこもりだと思う。うつむいて爪を噛んでいる子どものまま大人になった、そういう美術家像だ。道に捨てられた小っちゃいものをコチャコチャと集め、骨董屋や古書店に通い、自室であこがれの女優のブロマイドを切ったり貼ったり。ギャラリーで作品が売れそうになると手放したくなくなって値を上げたいと言ってみたり、美術館での個展でもまるで自分のじゃないような風に会期半ばにふらりと行くだけだったり。

その気持ちワカルと思った。親近感を持っていた。

だが、川村美術館の展示(2019)を観ると、どうもそうでもなさそうだ。

パトロンや美術家と手紙のやり取りを頻繁にしている。デュシャンやマッタへの手紙が展示されていた。(マッタの返信は色鉛筆で一文字ごとに色を変えて「M A T T A」とサインを描いていて、小学生の女の子の手紙みたいでかわいい!日常的にそういうことをやっていた人なんだと思われる。)

いや、でも、引きこもりながら手紙をやり取りするタイプはいるからとは思ったが、映像作品を作るのにカメラマンに依頼している。外での撮影では数人とやり取りをしたり指示をしたりしているはずだ。え、人付き合いが苦手で家族としか付きあわない人じゃなかったのか?

これまで思ってきたコーネルの人物像が変わった展示だった。

 

☆アナログハイパーリンクな読書
草間彌生個展(国立新美術館)→草間彌生自伝→『ジョゼフ・コーネル — 箱の中のユートピア 』デボラ ソロモン (著), 林 寿美 、太田 泰人 、 近藤 学 (翻訳)→企画展「ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ」@川村美術館