2019/04/21

かわいいルーカス

「山本容子個展ー時の記憶ー」で、オレンジ色の鼻の長い犬が作品中によく登場するので、調べてみると、『ルーカス』という絵本に、どうやって彼が家にやってきたかが描かれていた。ルーカスは家族の一員であり、今や仕事仲間でもある。オフィスのマークと名称にもなっている。

あたらしい家族になったこの子犬をなんとよぼうか。なにかりっぱな名前をつけてやりたい。(『ルーカス』)

作品中のルーカスは、新しくできたヘリコプターに驚いたり、自動車と並走したり、ラジオに耳を傾けてたり、時代の目撃者であり舞台回しでもある。メンズコレクションでモデルとともにランウェイを歩いてるところは、きっと旅に思うように連れていけないルーカスに、旅をさせてやっているのだと思う。

旅にでると、かならずルーカスにおみやげを買う。(『ルーカス』)

ピカソのそばにねそべったり、カンジンスキーと踊ってる様子は、私たちの代わりに時間を超えて旅をしているようでもある。かと思うと、ダリの絵に登場してグニャリとしてみたりして、モディリアニの絵では青い目をしてポーズをとっていて、思わず笑ってしまう。融通無碍な存在が出入りする様子に、私たちも自由に芸術と戯れていいのだと思う。

☆アナログハイパーリンクな読書
『BON VOYAGE』山本容子→『ルーカス』山本容子