2018/10/30

狐が出たかもしれないよくわからない話

10年ぶりにあるカフェギャラリーに行った。店の名前を仮に「ノクターン」とする。

オーナーとは少し話をしたことがあって、でも、10年も行ってなかったから、どうかなと思ったが、案の定覚えていなかった。初めての客にいつも言うセールストークをしてきた。それはいい。

たしかギャラリーにピアノが置いてあったと思うんだけどときょろきょろと見回した。オーナーがピアノが好きで、ギャラリーを作るときに夫に無理を言って置いてもらったの、という話をしていたから。そうだよ、それで店の名前がショパンのピアノ曲なんだよな。小さいのでいいからどうしてもほしかった、ミニライブができるように。

だが店内にはどうもなさそうだ。アップライトだから展示品の陰に隠れて見逃してしまったか? いや、ない。10年の間に模様替えをしたのだろうか。

オーナーに確かめてみると、ピアノは昔からないという。え? おかしいな。

じゃあ、この、「夫が買ってくれた」というかなり細かいエピソード話はいったいなんなんだ? しかも、この店の名前だ、思い違いとも思えない。グレン・グールドが好きで、と話してなかったか? しかも、時々はミニライブを開催しているという。

本人がないというのだから、本当にピアノは昔からなかったのだろう。でも、私自身まだ狐につままれた気持ちだ。誰か別の人の話がどうかしてつながり、しかも状況証拠もそろっている。自分が信じ切ってるものだから、他人にも滔々と話す。この話を聞かされた相手こそいい面の皮だが、真実が明らかになることはほとんどないにもかかわらず、そういうことが過去に何回かあった。じゃあ露見してない案件はもっとたくさんあるってことだろうか。

こうなるともはや自分の記憶そのものに信頼がおけなくなるが、といって、Aだと思うがAでないかもしれない、などといつも考えながら生きることは不可能だ。

でも、としつこいようだけど今でも思う。実際にはピアノがあって、オーナーの時空がよじれて、ピアノがなかったことになってる。わかってる、そんなことはないってこと。私がアヤシイだけだって。でもどうしたって信じられないもの!

本当にあったよくわからない話をしてみたくなった。少し杉浦日向子っぽいと思うが、そこまで粋ではないな。