2018/09/22

新しいモノ、コトの名前

上野の森美術館で開催中の「世界を変えた書物展」に行ってきた。

もちろん私は、ルドゥーのショーの理想都市やパラーディオの「建築四書」、パンテオンの立面図、断面図に釘付けだったのだけど(そういえば私がもっとも好きな建築ベスト5だった)、ほかの部門も興味深く見ているうちに、「飛行」部門の図版にふと注目した。

空を飛ぶ乗り物を発明するのに、まだ名前のないそれになんと名前をつけようか、風船がいくつも取り付けられた乗り物の図には「飛ぶ船」と書かれていた。よく見ると乗る部分は船そのものだ。今まで見たことがないものは、すでに知っているものを援用して名付けるだろう。それが「飛ぶ箱」ではないことに、発明家たちはまるで海を渡るように空を渡る乗り物として捉えたのだろうと思うと、そのロマンティックな命名を微笑ましく思った。まさに飛行は人類の夢。想像上のものを実現化しようとする思いが込められた名前が秘めた可能性にワクワクする。想像の世界にしかないものがこの手に!という興奮、それを共有し伝播するのが名前だ。

新しいモノ、コトを名付けるのは、その後の行方を左右する大事である、と強く思った。社名も商品名も作品もペンネームも。

「モンゴルフィエ兄弟の気球体験記」(1783-1784)初版

Batteau volant とある。tが二つなのは、古語だろうか。

それにしても、グーテンベルグの発明がすごいと思うのは、活字にすると、くずし字など書体を解読する必要なく300年前の本でも解読が容易だということだ。

展示会場の様子

☆アナログハイパーリンクな読書

「世界を変えた書物展」→『モンゴルフィエ兄弟の気球体験記』