2018/05/04

ペロリペロリ

『早稲田現代文芸研究08 』掲載の多和田葉子『犬婿入り』についての評論の中で、ペロリペロリという音がやけにやらしいものとして頭に残り、『犬婿入り』を読んだ。文庫の表紙は、望月通陽。小説を知ってから改めて見ると、犬のような狐のような鹿のような生き物が女性のおしりを舐めている。

ペロリペロリ。

何度か使った鼻紙でお手洗いでおしりを拭くと気持ちいいわよ、というみつこの言葉に、子どもを塾に通わせる母親が鼻紙なんておかしい、ティッシュと言いなさいというほかない、へんだけどへんだと言えない、なにがへんかわからない、そういう感じがずっと続く。

冒頭の一文にやられる。こういう長い文章、主語がどんどんいれかわっていく文章は、ずっと書きたかった文体。谷崎のような。

そして望月通陽に表紙を頼む、うらやましさ。さて。

☆アナログハイパーリンクな読書 『早稲田現代文芸研究08』→多和田葉子『犬婿入り』→谷崎潤一郎、望月通陽