2017/09/24

なぜ黒いアクリルの反射作品を作ったか

2015年秋、中之条ビエンナーレに出展し、鑑賞者がどのように鑑賞しているか私は会場でじっと見ていた。

すると、私のドローイングの線の発端に自分の指を当てて、カメラに向かってポーズを取っている若い女性のグループが散見された。

まるで自分が描いたように見せかける写真、よくピサの斜塔を倒れないように押さえたように撮影する写真のようなものだ。作品を対象として見るのではなく、作品と自分を関連づけて楽しむということだろうか。

それと、写真家の梅佳代さんだったか、人は自分の写った写真に注目して見るものだ、と言ってた。

だからか、と思った。それなら、と思った。

鑑賞者自身が映る作品を作ってやろうと思った。

そう思っていたとき偶然、2015年末、ゲルハルト・リヒターの個展でグレーの作品に鑑賞中の自分自身が映っているのを発見した。具体的な作品像がおぼろげに浮かんだ。

制作したのは2016年夏で、札幌での個展で発表した。

多分に自分がナルシストであることもあると思う。