(14)総括
I did my best、というのがAIRを終えての心境だ。制作も読書もゆっくりするのもすべて全力でやった。制作したものについては自分ではいいと思っているものばかりではなく、多少失望した気持ちもあるが、そもそも制作はできればいいけど、まぁゆっくりしてもいいんだし、ぐらいに思っていたにもかかわらず、計画通りに制作は進められたし、思わぬ制作もできた。新作に挑戦することもできた。なによりこうして日常から離れて集中した時間を持ち、自分だけのために時間を費やしたいというのがAIRの最大の唯一の目的だったので、十二分に達成されたと思う。静かな環境で充実した時間をすごせた。
また、今後、海外のAIRにも参加したいと思っているので、海外の作家が多いスタジオでの滞在はよい経験となった。
スタッフの皆さんとも仲良くなり、地下鉄や自転車で動き回り、地元のお店で食事をし、札幌との縁が深まった。札幌へ帰ってくるのを「帰札」というらしい。日本へやってくるのは来日、自国へ帰るのは離日、ならば札幌から帰ってくるのは離札だろうか、今、少し寂しい気持ちがするほどだ。
展示をきっかけにAIRを企画してよかったな、来てよかったなと心から満足している。次は夏に搬出入に行く。それまでさらに制作を進めたい。
付記)
滞在したスタジオについてあまり知らずにAIRを企画した。本来ならば事前に調べたほうがいいと思うので、本レポートが当スタジオに限らず今後AIRを企画する作家に役立つことを願っている。