恋文 コーネルと草間

 川村美術館で初めて行ったんだと話したら、自分も好きな美術館だよと温かい目であるいは子どもを見るような目で見る人もあれば、はっきりあきれ顔の人も。そんなにあれだったか、あっはっは! いいんだ、わたしはラマヌジャンなんだから! そんな中、作家のTさんにコーネルってかわいいねぇと話したら、箱の作品いいでしょいいでしょと話が盛り上がった。コーネルは草間と恋人同士だったんじゃないかなぁ、というので続けて読んだ本。

 二つの本ではニュアンスが違う。コーネルの伝記の著者は草間に冷ややかだ。だが、一日に十数通も手紙を書いたり、「僕のことどう思ってる? 好きかい?」と電話で何度も聞いたり、裸になってお互いを描いたり、中学生の恋のようにストレートでいいなと思う。

 コーネルは作品と離れたがらなかったコピーをいくつも作った、とある。たくさん作る、それでいいんだと思う、森山大道もとにかく量だと言っていた。

☆アナログハイパーリンクな読書
草間彌生『無限の網―草間彌生自伝』→ソロモン『ジョゼフ・コーネル-箱の中のユートピア』