中之条でやり残したこと~中之条への道(35)

制作中、会期中に中之条でやり残したことを撤収時にすべてやってきた。

1)積善館に泊まりたい
宮崎作品の大ファンとしては『千と千尋の神隠し』の湯屋のモデルの一つとされている積善館にぜひとも泊まりたい!というのが当初からの願望としてあった。会期中に家族と一緒にと思っていたら、あっという間に満室に。それで撤収時に一人で泊まった。内心キャアキャア言いながら館内をうろつき赤い橋やトンネルの写真もちゃんと撮った。

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2)沢渡温泉に行きたい
 沢渡温泉には地元住民優先の共同浴場があって、共同浴場というのにわたしはずっと興味があった。共同浴場とは、地元の住民が普段の生活で風呂として使うために共同で管理する浴場で、そこをわれわれのような外部の人にも使わせてくれるというものだ。

 それに「一浴玉の肌となる美人の湯」として有名らしい。沢渡温泉の旅館の亭主という人と会期中に会場で話す機会があり、聞けば温泉の温度が高く熱いお湯だそうだ、いいな、いいな。一度ぜひ来てくださいと言われてその気になっていた。中之条には温泉はたくさん湧いているが、展示エリアでは四万と六合と沢渡に温泉がある。四万は制作中の作家特典として無料で入湯できたし、六合は会期中にスタンプラリーのスタンプを一定以上集めたので無料で入湯したが、沢渡は残念ながら、と思っていたが、ついに撤収時に行けた。
 ほかに誰もいなくてすっかり独占してしまった。大谷石の湯船に浸かり、湯の流れる音を聞く。

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3)ハラミュージアムアークに行きたい
 ほんの3つ先の駅だというのに、制作中も会期中も行けなかった。本当はサイ・トゥオンブリー展を狙っていたのに。でも行けてよかった、という話はもう書いた。
http://hinakoharaguchi.com/archives/3056「撤収~中之条への道(32)」

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4)ビエンナーレトラックで荷物を運ぶ
 撤収でできた荷物は通称「ビエンナーレトラック」に輸送を頼めるのだが、いろいろな偶然が重なってわたしは同乗して帰ることになった。ビエンナーレの写真を大きくラッピングしたトラックで、あれで搬入搬出するというのは出展作家だけに許された喜びだ。そのビエンナーレトラックがアトリエに来るのだってうれしいのに、わぁ、乗っちゃったよ、わたし! かなり興奮気味で乗り込んだ。

 運転してくれる町役場のKさんは尻焼温泉に住んでいて、何軒かで温泉の権利を持っているので家に温泉が引かれているという。蛇口をひねれば温泉が出てくる夢のような話。うらやましい。そんな話を聞いたら川底から湧き出す尻焼温泉にも行きたくなってきた。

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5)『眠る男』を観たい
 この話はもう書いたが、たまたま東京で上映していたので観られた。ずっと会場として親しんできたあの場所で撮影されたんだよなぁと思いながら観るのもまた格別だった。
http://hinakoharaguchi.com/archives/2838 「一人小栗映画祭」

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伊参スタジオに保存されている「眠る男」のセット

 撤収に行ってきたよ、やり残したこと全部やってきた!と鼻息荒く他の出展作家に話したら、六合の「野のや」は行ったの? あそこのそばはマスト、なにしろ隣の小屋でまいたけ栽培してるんだから、と。てんぷらが絶品らしい。そういえば出展作品の写真で観て美しいと思った別名「天空の湖」野反湖も行ってないし、まだまだやり残したことはあるみたい。
 でも、ぐんまちゃん今川焼きは食べたもん。

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コンビニで売ってる。かわいい。もぐもぐ。

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中之条の秋 雲の上を車は走る。雲海を眼下に見る風景に陶然とする。