酔醒の ぞっとする時 世に帰り

酔醒(よいざめ)の ぞっとする時 世に帰り
という古川柳がある。したたかに酔い、前後不覚に眠りこけ、唐突な身震いで目が覚めた。まるで、今しも冥界の底が抜けて、雲の上から、すとんと現実界に、転がり落ちた気分がする。酒呑みなら、誰もがきっと思い当たる、リアルな一句だろう。(『杉浦日向子の食・道・楽』)

 わたしはまったくの下戸だが、年末年始の熱に浮かされた酔いから醒めて、急に世に帰ったのが今だ。何年ぶりかで大層楽しい正月をすごし、地上10センチぐらいのところを宙に浮いて暮らしていたのが突然現実世界に引き戻された。だが、何かで気を紛らわせたり、誰かにおぶさることで何とかすることだけはやめたい。ひとり、酔い覚ましの白湯でも飲もう。

おたのしみはこれからだ。シジュウカラはおもしろい。(同上)

☆アナログハイパーリンクな読書
六花文庫→『杉浦日向子の食・道・楽』(杉浦日向子)

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元旦はたいてい晴れてると人が言ったので、気のせいだろ、いろんなときがあるはずと思ったが、冬だから晴れの日が多いんだと思い当たる。浮かれるのも無理はない穏やかな元日。