11月初旬、撤収に行ってきた。
壁に描いた絵をペンキで塗って原状復帰するので、作品ともお別れ。もっと寂しいかと思ったが、実際に作業が始まると、どんどんやらねばと、それほど感傷的にはならなかった。それよりなかなか白くならず、気ばかり焦った。木造校舎なので、壁の部分がすべて同じ素材でできていないことが原因だった。ギャラリーではかならず同じ素材、ベニヤ板でできているので、こんなことはない。
こうしたこともビエンナーレ特有の思わぬことで、これも制作のうち、おかげで雪のちらつく冬の中之条も経験できた。
帰りには、ずっと狙っていた渋川のハラミュージアムアークに寄り、草間弥生と磯崎新を観た。ほとんど人がいなくて、美術はこんなふうに一人静かに鑑賞するものかもなぁと少し思ったりもした。制作中も会期中も忙しくてまったく行けなかったが、閉幕後に観たのも何か意味があるような気がする。