搬入の熱気~TAT2015

 初日の夜11時ごろ、車道のど真ん中をガラガラ轟音をたてて大急ぎで搬入している作家のグループ。鬼気迫る勢いだったから、何か緊急の用だったのかも知れない。誰もいない静かな夜の神田で、そこだけは活気に満ちていた。

 TATは今はそれほど人がいるようには見えない、でも初日と前夜は、異様な熱気があった。そこらじゅうで搬入の音が鳴り、あの細いペンシルビルの階段は人でごったがえし、わたしは思わぬ知り合いに何人も会って、興奮気味だった。

 後日、こないだはオカシくてごめんとそれぞれに謝ると、二人ともがまるで申し合わせたように「別に普通だったよ」と異口同音に言ったのが不思議だった。あれが普通なら普段のわたしは相当オカシイはずなんだけど、あまりよく知らない関係だからなのか、「クール」な外見の内の本当の姿を見たと思ったのか、それともただ二人とも優しいだけなのかもしれない。そしてわたしたちはとても仲良くなった。

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初日の夜の電気大跡地脇。

中之条では、わたしは早いうちに制作を終えてのんびり初日を迎えたが、もう数日前から作家たちがたくさんレジデンスにいたらしい、きっとあんな熱気だったんだろうかと思った。