制作の本性

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 これはSICF16で展示した私が7歳のときの作品。実に30年前のものだ。本が好きだったので、絵本を作りたかったようだ。親が出版社に勤めていたので、家には原稿用紙があった。その原稿用紙を使っている。手近なもので何かを作るというのは、われわれの本性ではないかと思う。全4ページ。ホッチキスで止めてある。紙を半分に折っただけだから止める必要はないのに止めてあるのは、きっと「本はとじてあるもの」と思ったからだろう。たしかに、紙を折っただけなら、それはカードだ。わたしは本が作りたい。

 この作品は、何かを主張したいがために作る、というのがなくても作れるという証拠にならないか。

 ちなみに、これは評判がとてもよかった。微妙な気持ちになった。こういうものには何かがあるのか、それとも、小さきものを愛でるのは、枕草子以来のものなのか。