生声を聞ける同時代人

 このところ大竹伸朗の本を数冊集中して読んでいて、昨日、現美でインタビュー映像を見た。思った通りの声だった。

 元永定正は、えー、こんな話し方なんだ、と思った。この人にとっては、あの絵は本当に普通なんだろうなと思った。ただ本心から、おもしろいと思ってるだけなんだろうなって。

 舟越桂は天パー、目がキョロっとして全体にペタっとしてる。ニヤっとすると、遠くを見つめる作品とは違う印象。人間は「たった一つで初めての存在で、誰も代わってあげられない」。

 自分はこういうのが好きなんだ、おもしろいんだ、と話す人もいるし、自分は世界をこう見てるんだ、と話す人もいる。前者のタイプは批判もされるので、自分は前者のタイプだけど、と思っていたけど、それでもいいんだなと思った。

 今日、高野秀行のトークを聞きに行った。写真で見るよりずっと素敵だった、写真や文章はもっとひょうきんな感じなのに。話を聞くのがうまくて、ノンフィクション作家だからなと思った。それでも緊張しているのか手が少し震えていたのが、かえって好感を持った。一方、木村元彦はよくしゃべる人、話がとまらない。そんなに夢中になるなら本を読んでみようと思った、サッカーは全然わからないけど政治には興味がある。

 トークを聞きながらスケッチをする。服や髪型はその人が出ると思う。当然じゃないようだけど、顔つきや声や話し方は本当はその人そのもの。同時代人だと、本だけじゃなくてこうやって直接会えるからいい。

 わたしも姿勢をよくして、しっかりと前を向いて歩いていこう。伸びっぱなしの髪も切ったほうがいいな。

☆今日のアナログハイパーリンクな読書
高野秀行『恋するソマリア』→木村元彦『オシム 終わりなき闘い』

オシム監督が、日本の選手は監督に怒られないようにする傾向が強いと話していた、という話が出た。ドキン! わたしだ。だから読みたいんだ。