昨日は雪が降ってとても寒くて、寒いイングランドはいやだ、暖かい南の国に行きたいというドリトル先生の気持ちがよくわかる日だった。お金がないのも何もかも放り出して、どこかに行ってしまいたい、遠い南の島に、冒険に。それにしても、海に行けば乗せてくれる船がありそうだ、とにかく出かけよう、という軽いフットワークが、ファンタジーのいいところ。
「いや、ちょっと待ちなさい。」と、先生はいいました。「泣かないで。食堂へいって、お茶でものみながら、相談するとしよう。(略)すると、だいぶ望みがあるではないか。われわれで、さがせるかもしれん。まず、うまい菓子でもたべて、お茶をのもう。それから、どうするか、考えるとしよう。」
うんうん、わたしもそうするよ、とにかくお茶でも飲もう。甘いおやつを食べよう。
このところ毎日つらい気持ちですごしているわたしを、ドリトル先生はなぐさめ、はげましてくれる。楽しみを求める、と昨日書いたけど、そうじゃない、もっと正確に書こう、つらい現実に立ち向かうものを人は求める、それはただ楽しいだけのものじゃない、つらい現実があるっていうことを知っている人の物語だ。100年前のイングランド人からなぐさめられる、なんと本はすばらしいものか。
☆今日のアナログハイパーリンクな読書
石井桃子→『ドリトル先生アフリカゆき』→『ドリトル先生航海記』