大雨で夜中に目が覚めて玄関を開けると、小さいかえるがちょこんと座っていた。白いかえる。たぶんかえる。前に揃えて座っているその手がやたら小さい。もしかして枯葉がくしゃくしゃっとしたのがそう見えるのかと目を凝らしたが、暗いのでそれ以上ははっきり見えないのだった。目がそういうふうに見せているのかもしれない。いくつかの図像を合わせて知っているものに見せる。そういうことってある。いまの時期、こんな小さいかえるっているかな?
いつもと違う時間にいつもと違うものに出会うと、何かを伝えにきたのじゃないかと思う。数時間後、また見てみたら今度はいなくなっていた。やはりあれはかえるだったんだ。
これはなんだっけ、そうだ、『動物のお医者さん』の暑い日のかえるの話だ。
そうだ、こんな小さいかえるは、コロボックルが入っているのじゃないか。
☆今日のアナログハイパーリンクな読書
かえる→『動物のお医者さん』→佐藤さとる『だれも知らない小さな国』 でもわたしは『豆つぶほどの小さないぬ』を先に読んだのだ。人からもらった本で、1巻とか考えなかった。だからちょっと話がわからないところもあったけど、わたしにとっては2巻が1巻なんだった。今でも2巻のほうに親密さを感じる。
追加で書こう。
かえるを見て枯葉かどうか確かめるにはもっと近寄ればよかったんだけど、それはやりたくなかった。だってサ、かえるだとすれば気配を感じて逃げちゃうし、枯葉だとわかったらつまんないもん。
ずっと動かずにいた。かえるも台風の様子を見に来たのかもしれなかった。そのあと見た夢で、魚が庭に来ていた。大雨で川から魚が来ていて、わたしはそれをすくっては戻していた。
今になって思うんだけど、かえるは背を伸ばして二足歩行だった。指先も今思うと水かきで広がってなくて指がくっついて垂れていた、犬のチンチンみたいなポーズで。やっぱり「立って歩くかえる」だったのかもしれない。