デビュー作が代表作

埼玉県立近代美術館で日本の現代住宅の展覧会を見る。つらいから行くつもりはなかったのだけど、赤瀬川原平を読んでいると新宿ホワイトハウスが登場するので、これが公開されるのは貴重だと思って会期ギリギリに行った。

展示は大変よく、よく見ていたものの中に新たに発見することが多く、思わずじっくり見てしまった。デビュー作が多く、そしてそれが代表作である場合が多いとあらためて気づく。わたしも、目移りなどしていないで、もっと最初の作品を深めていくべきではないかと深くを自分を省みた。

磯崎新が「原平が、原平が」と言っていたのが印象的だった。克彦、とは言わないんだな。かえって親密さを感じた。

原自邸も、白の家も、水無瀬の町家も、家具が置かれていると印象が違う。白の家に、黄色いラグ、黒いソファにまた色のクッションが置いてあるのや、水無瀬の町家の赤いソファをを見ると、あ、と思う。すっごく素敵。モンドリアン? 余白というのか、部屋の隅やソファが置いてあったり、壁際に椅子が置いてあったりするのは、とてもいいと思った。「余白」に注目する。わたしは「余白」だなと今思っているところ。

(そう、なんだか椅子にばかり目が行って、住吉の長屋に固定のベンチがあるのにはじめて気がついた。というか、あのアングルの写真はあまりないと思う。)

☆今日のアナログハイパーリンクな読書
赤瀬川原平『全面自供!』→『戦後日本住宅伝説—挑発する家・内省する家」の図録